カリフォルニア州は、猛暑と日照りの影響で、30ヶ所以上で山火事が発生している。シリコンバレーの周辺でも、8/15の雷雨をきっかけに大規模な山火事が多発し、大気汚染が深刻化している。私も8月16日からランニングを控えている。
シリコンバレーの住民の大気汚染の関心は高い。COVID-19では、州知事がマスクの着用を呼びかけても外出自粛を呼びかけても一向に効果が上がらなかったが、山火事の影響受け、マスクの着用、外出自粛が進み、シリコンバレー周辺の新規感染者数は半減した。それ故、大気汚染の状況をモニター、可視化できるPurpleAir社などのセンサーの類は品切れ、もしくは出荷に時間がかかっている。
今回紹介するBreezoMeter社は、公共データをもとに大気汚染の状況をリアルタイムに分析・可視化するサービスを提供しているイスラエル発のスタートアップ。BreezoMeter社がすごいのは、大気汚染に関するデータの他に風向き、衛星写真、交通情報などの複数のデータを分析してリアルタイムに大気汚染予測ができることだ。
初めて同社のプレゼンを聞いた時、「どうして山火事の位置が分かるんだろう?」と思い、BreezoMeter社の開発DirectorのTamir Kesselさんに質問したところ、「風向き、衛星写真、交通情報などの複数のデータを組み合わせて分析しているからだよ。」と教えてくれた。”交通情報”?と思う人もいるかもしれないが、Tamirさんは「自動車の排気ガスが環境に与える影響は少なくない。BreezoMeter社は、大気汚染が少ない安全なルートを自転車のライダーや歩行者向けにストックホルム市で提供している」と説明してくれた。
Tamirさんは、電話会議の中で日本市場における事例についても説明してくれた。大正製薬がアレルラボを通じて無料で提供しているリアルタイム花粉予報は、BreezoMeter社の技術が活用されているそうだ。BreezoMeter社は、大正製薬の事例について、2020年3月31日に同社のBlogを通じて発表している。

BreezoMeter社の大気汚染予測

大気汚染が少ない自転車ルート