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都市間の輸送を自動化、ローカル5Gを加速させるスタートアップが登場
2020.08.20

シリコンバレー通信第30回

都市間の輸送を自動化、ローカル5Gを加速させるスタートアップが登場

著者 小室 智昭

Tesla社のOTA開発担当エンジニアが立ち上げたスタートアップ

 OTA(Over The Air)は、無線ネットワークを利用した通信のことをいい、データ通信の通信手段を表す技術用語として用いられている。最近では、スマートフォンのファームウェアやスマートフォンアプリのアップデートなどに使われている技術として知られている。

 OTAはさまざまな業界でも利用され、Tesla社が自動車のファームウェアのアップデート、自動運転アルゴリズムのアップデート、アプリのバグ修正にOTAを利用していることは有名だ。7月15日に新型EVのアリアを発表した日産も、ナビゲーションシステム、地図情報など、基幹部分を除くソフトウェアのアップデートを、OTAを利用して行う予定だそうだ。

 ここで紹介するSibros社は、OTA Platformを開発しているスタートアップ。Sibros社のCEO&Co-FounderのHemant Sikariaさんは、Tesla社の入社8番目のエンジニアで、Tesla社のOTAシステムの基盤を開発したエンジニアだそうだ。

 Sibros社のOTAシステムは自動車に搭載されたエッジコンピューターとクラウドに構築されたSibros Auto Cloudで構成されている。自動車に搭載されたエッジコンピューターでは「Deep Updater」と「Deep Logger」の二つのアプリケーションが動作している。Deep Loggerが自動車のセンサー情報を収集し、Sibros Auto Cloudに送信する。

Sibros Auto Cloudは、自動車の各ECU(Electric Control Unit)のソフトウェア・アップデート管理機能、センサー管理機能、ログの可視化・通知機能、自動診断機能を提供していて、Deep Loggerから送られてきた情報をもとにデータの可視化、センサーの管理、ソフトウェアのアップデートを制御している。Sibros Auto CloudとDeep Updater/Deep Loggerの間は暗号化されていて、Deep Updater/Deep Loggerの間はセンサーが暗号通信に対応している場合は、データを暗号化して通信が行われる。

 Sibros社のプラットフォームは、Sibros Auto Cloudを通じて、自動車本体以外にも EV Charger(電気自動車の充電スタンド)、Parking(駐車場)、Fleet Management(車両管理)などのサードパーティアプリとも連携することができるという。

 ビジネスモデルは、Siberia auto cloudの年間使用料と自動車一台当たりのソフトウェアの月額使用料を組み合わせたサブスクリプションモデル。規模によって料金が変わるようなので、具体的な料金はSibros社との交渉になる。

 Sibros Auto CloudはGoogle Cloud上に構築されているが、Google Cloudを利用する前は自社内のサーバーで運用していたそうで、CTO&Co-FounderのMayank Sikariaさんは、「Sibros Auto Cloudはクラウド非依存で、どんなクラウド環境でも動作するよ。クラウドにデータを置きたくない企業はオンプレミスに環境を構築することもできるよ」と説明してくれた。

 Sibros社の本社はカリフォルニア州のサンノゼ市で、R&DはUS内およびカナダのウォータールー市、インドのプネ市にあり、Mayankさんが開発を指揮している。Mayankさんの前職は、Tesla社のライバルでEV車を開発しているFaraday Future社。Faraday Future社では、バッテリー管理システムなどのソフトウエア開発に携わっていたそうだ。

 Sibros社はNexus ventures社とMoneta Ventures社から合わせて$3.5M(350万ドル、約3億7千万円)を調達している。50人以上の社員を抱えている。

Sibros社のシステム概要

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