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都市間の輸送を自動化、ローカル5Gを加速させるスタートアップが登場
2020.08.20

シリコンバレー通信第30回

都市間の輸送を自動化、ローカル5Gを加速させるスタートアップが登場

著者 小室 智昭

 日本では経済活動が再開された途端にCOVID-19の感染者が急増しましたが、米国も同じ状況です。

 私がいるカリフォルニア州は、全米で急拡大が危惧される13州に指定され、7月13日に一旦規制が緩和されましたが、二日後には再び規制されました。そんな状況でもGreen Card(グリーンカード、アメリカの外国人永住権)を持っている日本人は、定期的に日米を行き来するなど積極的に活動しています。私もそのような人たちに負けないようにスタートアップとの連携を日々模索しています。

 さて今回は、Autonomous(自動運転)、Wireless、BIツールを提供するスタートアップたちを紹介します。

都市間の輸送を自動化するLocomation社

 世界的に有名なCMU(カーネギーメロン大学、Carnegie Mellon University)があるペンシルバニア州ピッツバーグ市は、全米の自動運転に関する技術開発の中心地の一つとして注目を集めている。Uber社、Waymo社などがPittsburgh市で技術開発を行い、Ford社やVolksWagen社などは、ピッツバーグ市で自動運転を開発しているスタートアップに多額の投資をしている。

 Locomation社はCMU卒業生を抱えるピッツバーグ市に本社がある、自動運転技術を開発しているスタートアップだが、技術の内容はUber社やWaymo社のものとは違う。Locomation社は既存の大型トラックを自動運転車に変えてしまうRetrofit(後付の装置)を開発している。既存の自動車を自動運転車に変えてしまうRetrofitを開発しているスタートアップは、第25回のシリコンバレー通信でも取り上げたComma.ai社が有名だが、Locomation社のRetrfitはComma.aiが開発している技術とも違う。

 Locomation社のRetrofitは、フリーウェイ(高速道路)を複数のトラックを集団で走行させ、後続のトラックのドライバーの負荷を軽減させるものだ。

 Locomation社のCEO&Co-FounderのÇetin Meriçli さんが自社のサービスを「LocomationはAutonomous Convoy(自動運転トラック)だよ。」と表現する通り、Locomation社のRetrofitは先頭を走るトラックを、後続のトラックが自動追尾できるようにして複数のトラックを集団で走行させ、後続のトラックのドライバーの負荷を軽減させるというものだ。そういう意味では、先頭を走るトラックは自動運転ではない。

 Locomation社のサービス利用方法はこうだ。まず先頭を走るトラックと2台目のトラックをリンクさせる。このリンク作業は走行中に行うこともできる。そのため、都市部から離れる時、もしくは都市部への侵入前にトラックを停車させることなく行える。また、先頭車両と後続車両の交代もスイッチ一つでできるため、先頭車両のドライバーが疲れたタイミングで後続車両のドライバーと先頭を交代することができる。自転車レースで、チーム内で先頭を交代しながら走るのと同じコンセプトだ。

 Locomation社は4台のLiDAR(光センサー技術)、4台のカメラ、1台のレーダーからの送られてくるデータを、トラックに積んだコンピューターで処理をしてトラックを制御している。Çetinさんは「いま実験を行なっているプロトタイプでは、Intel社のCPUとnVIDIA社のGPUが搭載されている。ただ、一般的な自動運転車のように3D Mapを作る必要がないため、GPUはあまり使っていない。」と説明してくれた。

 現在、ペンシルバニア州、オハイオ州、オレゴン州、テキサス州、アイダホ州から公道での実証実験の許可を得て、実験を行っていて、順次実験するエリアを拡大させていくようだが、州によって公道テストのライセンス基準が厳しいところもあるようだ。また、集団走行は各州で違いはあるものの、2〜3台と規制されているそうだ。そのため、Locomation社の集団走行も2〜3台がターゲットとなっている。

 現在Locomation社は、企業単位での提案・導入を目指しているが、同社のシステムが普及すれば、異なる企業同士での”集団走行”も技術的には可能だそうだ。

 Locomation社は、$5.5M(550万ドル、約5億8千万円)の資金を集めているEarlyな(起業直後の)スタートアップだが、すでに日本の投資家が資金を提供していて、Çetinさんは日本市場への展開も意欲的だ。今後は、LTE/5Gを活用したサービス開発にも力を入れるそうで、日本のMVNOサービスに興味を示していた。

Locomation社の自動運転の仕組み

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