SD-WANが本格的に日本に上陸したのは2015年ごろ。多くのSD-WAN スタートアップが誕生、成長し、いくつかのスタートアップは大手企業に買収されるまでに成長した。そして買収後しばらくして会社を離れ、次のビジネスを立ち上げるCEOも現れている。
ここで紹介するAlkira社は、Viptela社のCEOだったAmir KhanさんがViptela社がCisco社に買収されたのちに弟のAtif Khanさんと一緒に設立したスタートアップだ。
Alkira社のサービスは、企業ユーザーがクラウドアプリを快適かつ安全に利用できるCloud Exchangeサービスを提供している。Alkira社は複数のクラウドアプリケーションが利用できる接続ポイント(CXP; Cloud Exchange Point)を持つ独自のプラットフォームを構築。企業ユーザーはCXPへの接続設定を行うだけで、複数のクラウドアプリケーションを利用できる。
これまではクラウドアプリごとの接続設定が必要で、かつトラヒックに合わせて通信帯域やロードバランスの設定変更を企業ユーザーが行わなければならなかった。ところが、Alkira社のソリューションを利用すると、ワンストップかつ簡単にそれらの設定をクラウド上で行える。
環境設定も簡単で、「Campus」と呼ばれるAlkira社のDashboardでCXPの選択、利用制限の設定、ファイアウォールの設定などを行うだけで基本的な設定は完了する。Campusで設定した内容は数分で反映され、実際に利用できるようになる。全ての設定をクラウド上で完結させる技術は、Amirさん、AtifさんのViptela社などでの経験が活かされているところであろう。
Alkira社はソフトウェア企業であるためハードウェアは開発していない。そのため、Cisco社などのSD-WANベンダーとパートナーを組み、既存のSD-WAN端末を用いてAlkira社のサービスを利用できるようにしている。
CXPの具体的な数とエリアは教えてくれなかったが、「欧米、アジアで広く利用できるようにする。」とAmirさんは話をしてくれた。それを実現するためにViptela社の時もタッグを組んだSequoia Capital社などから既にSeries Aとして$30M(3千万ドル、約32億円)を調達している。そして4月16日には、Stealth Mode(ステルスモード。製品やサービスを外部に公表せず、事業開始の準備を行うこと)から抜け出してダッシュをかけた。

Alkira社のプラットフォーム概要