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コロナ渦中に実施された“All Virtual”イベントで注目のスタートアップ
2020.05.28

シリコンバレー通信第28回

コロナ渦中に実施された“All Virtual”イベントで注目のスタートアップ

著者 小室 智昭

 新型コロナウイルスによる活動制限が、世界的に緩和される方向に向かっていますが、緩和した途端に増加に転じる地域もあるようですので、自分の身は自分で守るしかないということでしょうね。

 さて、今回は5月4日から8日に“All Virtual”で開催された「Plug and Play Tech Center」のSpring Summit 2020に登場したスタートアップを紹介したいと思います。いつもは、5〜6社を紹介していますが、今回は、ピッチを見て興味を持ったスタートアップを、ポイントを絞ってできるだけ多く紹介したいと思います。

1.Spring Summit 2020概要

 シリコンバレーで有名な投資家かつインキュベーターのPlug and Play Tech Center社(以降、PNP社)は、IoT、Mobility、Enterpriseなど15カテゴリーのStartup Acceleration Program(スタートアップの支援プログラム)を展開している。

 PNP社は、Acceleration Programの一環として春・夏・秋・冬の4回、”Summit”という発表会を開催している。今回紹介するSpring Summit 2020では、Media & AD、Supply Chain & Logistics、Brand & Retail、Travel & Hospitality、New Materials & Packaging、Food & Beverage、Sustainabilityの7カテゴリーのAcceleration Programに参加している111社のスタートアップがピッチを行った。

 Startup Pitchの前後には業界リーダー、投資家などの基調講演が行われ、業界トレンド、課題、スタートアップへのアドバイスを行った。

2.Startup Pitch

 ここでは、参加できなかったMedia & AD以外の6カテゴリーでピッチを行ったスタートアップの中から興味を持った企業について紹介する。「こんなスタートアップがいるんだ」と思ったら、ぜひ自分で詳しく調べてみてはどうだろうか。既存ビジネスとの連携、新規ビジネスの想像につながるかもしれない。

2.1. Supply Chain & Logistics

 Supply Chain & Lotisticsのカテゴリーでは、AiDock社、LeaningPal社、Kinetic社がAwardを受賞した。

(1) Kinetic社

 Kinetic社は、現場の作業者の状態や姿勢を検知できるウェアラブルデバイス「FLEX」と、FLEXから送られてきたデータを可視化できるダッシュボードを提供している。FLEXは、FLEXをつけている作業者の状態や姿勢を検知するだけでなく、過度にしゃがんだり体を捻ったりすると振動で警告してくれる。

 FLEXから送られてくるデータは同社のプラットフォームで分析され、ダッシュボードでリアルタイムに確認することができる。それ故、怪我をしたり具合が悪くなって動けなくなった作業員をすぐに見つけて手当てをすることができる。

 COVID-19の観点でいうと、FLEXはFLEX間の距離を計測することができるため、FLEXを身につけている作業者同士が近づいた場合、FLEXが振動して作業員に警告を発することもできるそうだ。

(2) Senseye社

 Senseye社は、HDカメラとコンピュータービジョンを活用して、眼球の動きから疲労の具合を可視化するソリューションを提供している。同社のソリューションを使うと、労働者のシフト、休息時間の決定に役立てることができる。また、Senseye社の技術は、アルコールや大麻などのドラッグの摂取による健康被害も検知することができる。

 眼球の動きの分析により健康状態を予見するソリューションは、日本の保険会社がAlzheimer(アルツハイマー)を予見するソリューションを開発しているNuroTrack社に投資するなど、いま注目のソリューションだ。

(3) LearningPal社

 LearningPal社は、企業向けにRPAを提供している。同社のComputer Vision技術とAIは正確に手書き文字を認識できるため、手書きの帳票もあっという間にデジタル化できる。すでに製造業、保険業、金融業などで利用されている。

 同社はPNP社にオフィスを構えていることもあり、同社のサービスを利用しているPNP社のコーポレートパートナーもいる。NTTコムウェア社など、日系企業も同社のサービスを利用していて、利用している日系企業によると、LearningPal社のサービスは認識率が高く、業務の効率化に役立っているそうだ。

次のページ

2.2. Brand & Retail

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