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コロナ渦中に実施された“All Virtual”イベントで注目のスタートアップ
2020.05.28

シリコンバレー通信第28回

コロナ渦中に実施された“All Virtual”イベントで注目のスタートアップ

著者 小室 智昭

2.2. Brand & Retail

 Brand & Retailのカテゴリーでは、The Call社がAwardを受賞した。

(1) Fabric社

 Fabric社は、倉庫や工場などの自動化およびスマートファクトリーを促進するためのロボットを開発している。同社のロボットは工場での部品のピックアップ・配送を自動化したり、オンラインショッピングで注文された商品のピックアップ・配送準備までを自動化することができる。Fabric社は2015年にイスラエルのテルアビブで設立され、5年余りで$136Mの活動資金を調達した。驚くべきは、Series Bでいきなり$110M(1億1,000万ドル、約118億円)の資金を調達したことだ。同社の技術力の高さと高い市場ニーズの表れだろう。

(2) Swyft社

 Swyft社は、AmazonGoのような無人店舗を実現するためのプラットフォームを提供している。同社は、Platform開発のためにサンフランシスコ市内で無人店舗を運営している。同社は無人店舗のプラットフォーム以外に自動販売機をオンライン/キャッシュレスで利用できるようにするためのSDK(ソフトウェア開発キット)を提供していて、そのSDKを利用すると簡単にキャッシュレス自動販売機を利用するためのモバイルアプリが開発できる。

 AmazonGoはお店を出てから精算を行うのだが、レシートが手元に届くまでに5〜6分かかる。AWSで処理をしていると想像できるが、無人店舗のUXを上げるためには店舗側で高速に処理をし、購入データをメインコンピュータと瞬時に共有できるアーキテクチャーが必要で、そのためにエッジコンピューティング、信頼性の高い高速通信網は必要不可欠になる。

(3) Automation Hero社

 Automation Hero社は、企業向けのProcess Automation(プロセス自動化)を提供している。Process Automationと言っても単なるデジタル化ツールではない。Automation Hero社のCEOのStefan Groschupfさんは「私たちのソリューションはRPAからIPA(Intelligent Process Automation)へと進化させたものだ。」と語った。Stefanさんは、さらに「私たちは、顧客対応タスクの削減、一般的な質問対応の自動化、社員の判断の増補を目指している。」と続けた。

 Stefanさんの言葉通り、同社はOCRを使ったデジタル化にとどまらず、Webサイトからのプロセス自動化やNLP(Natural Language Processing)を用いてメールやチャットの内容を理解し、膨大なデータベースから最適な解を提供することができる。例えば、同社のサービスは、企業のナレッジベースのFAQに利用したり、チャットコマースのChatbotとして利用できる。

2.3. Travel & Hospitality

 Travel &のカテゴリーでは、TroopTravel社がAwardを受賞した。TroopTravel社はWinter Summit 2018にも参加していたが、その時は一般ユーザー向けの旅行体験共有サービスで、今回はサービスを一新しての受賞となった。

(1) Airportr社

 Airportr社は、家で荷物を預けると目的地の空港まで荷物を運んでくれるサービスを、UK(イギリス)を中心に提供している。

 利用方法はとても簡単で、ユーザーは同社のWebサイトから出発日、出発地、利用する航空会社、目的地を入力するだけ。空港での荷物のチェックインもAirportr社が代行してくれる。荷物を預けたユーザーは荷物をいつでもトラッキングすることができる。UKから海外に旅行したユーザーは、UKに戻る時も同社のサービスを利用することができる。さらに、荷物の配送先の住所がロンドン市内の場合、ヒースロー空港またはガトウィック空港からであれば、荷物をロンドン市内に送ることもできる。

(2) Upgradepack社

 Upgradepack社は、低料金でフライト、ホテルをUpgradeできるサービスを提供している。同社は、本サービスを実現するため、世界的な航空会社、ホテルチェーンと合わせて69社と連携している。ユーザーは同社のモバイルアプリをダウンロードして同社のサービスに加入した上でアップグレードを申し込む。現在、同社は企業ユーザーに限定してサービスを提供している。

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