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新ビジネス「コロナテック」に挑むスタートアップが登場
2020.05.01

シリコンバレー通信第27回

新ビジネス「コロナテック」に挑むスタートアップが登場

著者 小室 智昭

 シリコンバレーでは、COVID-19(新型コロナウイルス)の流行に伴うSIP(Shelter-In-Place、自宅待機)が、記事執筆時点で5週目に突入しました。日本でも緊急事態宣言が出されており、まだまだ先が見えませんが、情報に踊らされることなく、落ち着いて対応いただければと思います。

 さて、シリコンバレーのイノベーションはSIPの状況下でも止まりません。少し前までは、”AI”を冠にするスタートアップが大勢いましたが、今では”COVID-19″を冠にするスタートアップが増えています。これも世相を反映してのことでしょう。今回紹介するスタートアップもCOVID-19を商機と捉えているようです。

1.ベンダーロックインしないBiometrics Platform

 顔認証、指紋認証など生態情報を用いたセキュリティソリューションは多く存在し、ユーザーには多くの選択肢がある。市場も拡大傾向で、360iResearch社は、2023年までにポータブル生体認証市場は$2T(2兆ドル、約215兆円)に達すると予想している。

 その一方、どのセキュリティソリューションを導入すべきか悩んでいる企業ユーザーも多いはず。また、一度導入するとベンダーロックインされる可能性もあるため、躊躇しているとも企業ユーザーもいると思われる。

 Trust Stamp社のBiometrics Security Platform(生体認証のセキュリティプラットフォーム)は、ベンダーロックインしない堅牢なセキュリティソリューションを提供している。

 以下、Trust Stamp社の仕組みを簡単に説明する。企業ユーザーは、Trust Stamp社のPlatformを用いて、エンドユーザーの生態情報を元に生成した「EgHash」というデータと認証管理データをリンクさせたデータベースを作成する。エンドユーザーがシステムにアクセスした場合、エンドユーザーから送られてきたトークンとEgHashを比較して認証を行う。

 同社は、「Identity Lake」と呼ばれる独自のID管理システムを開発し、企業が独自に持つIDデータを管理する「Private Lake」と、パートナーなどと共同で構築したIDデータを管理する「Consortium Lake」という二つのID管理データベースを連携させることができるようにした。

 同社は、生体認証センサーに依存しないというのも強みの一つだ。生体認証システムは常に新しいシステムが日々開発されている。Trust Stamp社のプラットフォームはミドルウェア的な役割を果たすため、APIが更改されているものであれば、企業は自社システムを更改することなく、常に新しい生体認証システムが利用できる。

 Trust Stamp社のプラットフォームは、クラウド、オンプレミスの両方に対応しているため、クラウドの利用に躊躇している企業でも利用できる。クラウドを利用する場合、企業ユーザーはIdentity LakeをMicrosoft Azure、Amazon S3に構築できる。

 同社の設立は2015年。本社はジョージア州アトランタ市で、イギリス、アジアなど、グローバルで活動している。活動資金はマスターカード社などから合計で$7.7M(770万ドル、8億2800万円)「を調達している。特許は1件が承認され、11件が申請中だそうだ。

 ビジネスモデルはシンプルで、認証の要求回数に応じて課金する。License販売が基本だが、Revenue Shareモデルも検討しているという。

 現在のメインターゲットは金融業、保険業で、2019年からMoney 20/20 USAなど米国で開催される金融系カンファレンスに出展を始めたそうだ。そのため、日本市場での認知度はまだ低いと思われるが、打ち合わせをしたTrust Stamp社の社長のAndrew Gowasackさんは、日本市場はとても興味があると話をしてくれた。

TrustStamp社のサービスと連携した認証フロー

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