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【CES2020 #3】自動運転車が“後付け”で作れるDIYキットが登場
2020.02.06

シリコンバレー通信第25回

【CES2020 #3】自動運転車が“後付け”で作れるDIYキットが登場

著者 小室 智昭

 世界最大の家電見本市・CES 2020が、1月6~9日の間、ラスベガスで開催されました。

 前回の記事では、主催者であるCTA(全米家電協会)が「注目の分野」として挙げた中から、「Transportation」「Flying Cars(eVTOL)」「Digital Health」「Resilient Technologies」の4つを紹介しました。今回は「Eureka Park」と「Robotics」の2ジャンルを取り上げます。加えて、CESにて筆者が「成長を期待したい!」と感じた技術についても触れてみたいと思います。

(8)Eureka Park

1) CTAの予測

 スタートアップが多く集まる「Eureka Park」は、CES 2020も注目のエリアだった。CTAは、CES 2020のEureka Parkには1,200以上のStartupが出展すると発表した。Eureka Parkには、フランスを筆頭にイギリス、イタリア、オランダ、スイスなどのヨーロッパ各国のパビリオン、日本、韓国、台湾、シンガポールなどのアジア各国のパビリオン、イスラエルなどのパビリオンが並び、さながらスタートアップに関する万国博覧会となっていた。

 CTAがCES 2020に先立って開催したMedia Dayにおいて、”Eureka Parkでの見るべきスタートアップ”として名前をあげたのは、先述のHydraloop Systems社、Skoon社、Coolfinity社の3社。いずれもオランダのSustainability関連のStartupだ。

 Hydraloop Systems社は先述の通り、家庭からの排水をリサイクルするシステムを開発しているスタートアップ。Skoon社はAirBnBやUberを予約する感覚でバッテリーを借りるバッテリシェアサービスを提供しているスタートアップ。そして、Coolfinity社は、食品ロスの削減、安定した生活、冷たいものを楽しんでもらうことを目標とし、電力事情が悪いエリアでも食料品、飲料水が冷やせる冷蔵装置を開発しているスタートアップだ。

 

2) Israel Pavilion

 イスラエルの領事館の商務部は、毎年Eureka Parkでイスラエルのスタートアップの成長を応援している。今年はAI、Audio/Video、AR/VR、eCommerce & Enterprise Solutions、Family&Kids Technology、Health&Wellness、Robotics、Smart Cities、Smart Home、Sports Tech、Vehicle Technology、Wearable、Wireless Devices&Servicesに関する22社のStartupが出展していた。

 私は今回、いくつかの会社と個別に打ち合わせを行った。たとえば、日本人女性がCo-Founder&CEOを務めていることで、日本でも話題となっているeVTOLを開発しているASKA社、高速移動するカメラ映像にリアルタイムにARコンテンツを重畳できる技術を開発しているEdgybees社、息を吹きかけるだけでメタボ診断や食事の提案をしてくれるメタボ診断プラットフォームを開発しているLumen社などがそうだ。

 Edgybees社のソリューションは、洪水の被害現場をドローンなどで撮影した映像に位置情報を元に道路や建物の情報をリアルタイムに重畳表示できる。さらに、同社は過去の映像と比較できる“タイムマシン機能”も提供している。

 Lumen社のメタボ測定ソリューションは、掌にすっぽりおさまるサイズの機器に息を吹きかけるだけで、メタボの割合を測定してくれたり、運動後の栄養状態を測定できる。また、Lumen社のソリューションは測定結果を元に食事の提案もしてくれる。しかし、測定結果に合わせた食事を提供してくれるパートナーはまだ見つかっていないようだ。

 

3) Sunflower Labs社

 Sunflower Labs社はホームセキュリティに関する製品を開発しているスタートアップ。2016年に設立され、設立当時は家庭の庭などに設置したセンサーで気温、湿度、天候などを観測して、クラウドで共有できるサービスを提供していた。その後、そのセンサーと連携したドローンによるセキュリティサービスを開発した。

 Sunflower Labs社のセキュリティサービスは、自宅の周辺に設置したセンサーが人を検知すると、ドローンがシェル(ベースステーション)から飛び立ち、センサーが検知した人を追尾、ビデオ撮影して、セキュリティ会社に通知する。AIで撮影した人物を識別したり、セキュリティ会社の確認により”安全”と判断された場合、ドローンは自動的にシェルに戻る。シェルにはドローンを充電する機能が備わっていて、ドローンがシェルに格納されると、自動的に充電が始まるようになっている。

4) Ubiquity Robotics社

 ホテルなどで利用されている自走式のホスピタリーロボットは、日本でも注目を集めているが、カスタマイズができなかったり、高い月額利用料を支払わなければならなかったりと、想像以上に導入障壁が高い。Ubiquity Robotics社はそんな課題を解決するために、手ごろな値段な売り切り型のロボットの「Magni」を開発した。

 Magniには地図を作成する機能、作成した地図に基づく自走機能、ビデオカメラなどとのインテグレーション機能が備わっている。OSはオープンソースのRobot-OSを採用しているため、ユーザーは目的に合わせてカスタマイズした自走ロボットを自作できる。

 Magniは100kgの荷物を運べるため、デリバリーロボットとしても利用できる。また、音声認識機能が標準で備わっているため、Magniを利用中に音声でMagniを制御できる。さらに、Magniはバッテリーの残量が減ると自動的に充電ステーションに戻る機能も実装されている。

 ただ、有名なお掃除ロボットのように、自動的に充電を開始する機能は実装されていないため、充電ステーションに戻ってきたMagniと充電器を手動で接続しなければならない。

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