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【CES2020 #2】あと数年で「空飛ぶタクシー」に乗れる?最新モビリティの今
2020.02.03

シリコンバレー通信第24回

【CES2020 #2】あと数年で「空飛ぶタクシー」に乗れる?最新モビリティの今

著者 小室 智昭

(7)Resilient Technologies

1) CTAの予測

 CTAは、Resilient Technologies(レジリエントテック: 困難な状況に対して復元力、回復力、弾力性を持つ技術)に関する注目分野として、Cyber Security、Public Alert System(公共の場における警報システム), Disaster Recovery(DR、災害復旧)、Emergency Preparedness(災害時の備え)、Renewable Energy(再生可能エネルギー)を挙げた。

 CTAはWorld Bank Groupと連携して、Resilient Technologiesの開発を推進するためのコミュニティ「Global Tech Challenge」の発足を発表した。Global Tech Challengeは、まずはHealth、Gender Barrier(男女平等)、”災害や気候変動に柔軟に対応するための技術”の3つの領域に絞って活動を始める。Healthは募集が始まっていて、2020年2月25日に募集が締め切られる。

 Gender Barrierはまもなく募集が始まり、インドをターゲットにしたResilient Technologiesは、2020年2月から募集が始まる。活動の成果についてはCES 2021で発表されるという。

2) EV charger

 EV charger(電気自動車の充電ステーション)は、EV市場を拡大させるためにも必要不可欠なインフラだ。Power Electronics社はWestgate会場のResilienceコーナーのブースで、自社の充電ステーションを展示していた。CES 2018 Innovation Awardを受賞したEVbox社もWestgate会場で、家庭用、商業地向けにEV用充電装置を出展していた。

 都市部でも自宅でも、単一のインターフェースで充電ができるのは、ユーザーにとって利便性は高いはず。EVbox社によると、家庭用EVは一般的なコンセントを使った充電と比べると1/6の時間で充電することができるという。

 また、Plug and Play Tech Center社のブースでは、同社が支援しているスタートアップのSwiftmile社が、eScooter向けの充電ステーションを展示していた。同社の充電ステーションは、ユーザーがスマートフォンで利用状況を確認できるため、事前に充電可能かどうか事前に確認できる。

 eScooterの充電ステーションは、eScooterを充電するだけではなく、eScooterのようなMicro Mobility(小型モビリティ)が抱える”放置”を解決することもできる。

 Micro-Mobilityは場所を気にせずに自由にHop-on/off(乗り降り自由)できることが魅力の一つになっているが、利用場所を固定され自由にHop-on/off(乗り降り)ができなくなることを”利便性の低下”と不満に思う利用者がいるかもしれない。しかし、eScooterの放置を問題視して、Micro Mobilityサービス自体を規制する自治体もあるので、Swiftmile社のようなサービスは利用者と自治体にとって必要なサービスだと思う。

3) Zero Massive Water

 Zero Massive Water社は、空気中の水分を集めて安全な飲み水を生成する、ソーラーパネルによく似た「HydroPanel」という装置を開発しているスタートアップだ(2014年設立)。

 このHydroPanelは、地面や屋根の上など、どこにでも設置できる。説明員によると、湿度が10%程度の乾燥地でも水を生成でき、HydroPanel2枚で月間で500mlのペットボトル300〜600本の水を生成できるそうだ。もちろん電力は一切使わない。電力は集めた水を浄化するときに使うが、HydroPanelに取り付けられたソーラーパネルで発電した電力で賄っているという。

 同社は、スマートフォンアプリも提供していて、ユーザーはスマートフォンアプリでどのくらいの量の水が生成されているのかわかる。

 CES 2020では、Zero Mass Water社は、Central Plazaで実演デモを行っていた。Google社のブースやImpossible Foodsのブースを訪れた人は、同社のHydroPanelを目にしたことだろう。現在、Zero Mass Water社のHydroPanelは世界中の35の国や地域で使われているそうだ。

4) Hydraloop Systems社

 Hydraloop Systems社は、コンパクトな水のリサイクルシステム「Hydraloop」を展示していた。発表によると、シャワーや洗濯水のなど家庭で使われる85%の水を、トイレやガーデニング用の水としてリサイクルできるという。それにより、水の消費量を45%削減できるなどのメリットがあるそうだ。

 Hydraloop Systems社はBest of Innovation賞を受賞した。また、Hydraloop Systems社は、CTAがCES 2020に先立って開催したMedia Dayにおいて、”Eureka Parkで見るべきスタートアップ”として名前が挙げていた。

5) Delta Airlines社

 初日のKick off Keynoteを務めたDelta Airlines社(以降、Delta社)のEd Bastianさんは、Delta社のSustainability(サステナビリティ、持続可能性)の分野における活動について、とても興味深い発表を行った。Edさんは「Delta社は温室効果ガス排出に対して25%効率が良い新型の飛行機に順次交換していく」と説明した。また「ジェット燃料が最大の課題で、バイオ燃料も積極的に採用していく」と語った。

 そして、Sustainableな社会の実現を目指す団体「Global Citizen」とパートナーシップを結んだことを発表した。Edさんからステージに招かれたGlobal CitizenのCo-Founder and CEOのHugh Evansさんは、Global Citizenの活動について紹介した。Hughさんは、Sustainable Development Goalを達成させるために、Global Citizenが2020年9月26日にチャリティーコンサート「Live Aid」を開催すると発表した。今回のLive Aidは貧困対策と持続可能な環境開発が目的だそうだ。Delta社はこのLive Aidおいて、共同会長を務める最初のパートナーになる。

 Edさんは「Delta社はGlobal Citizenとのパートナーシップを通じて、貧困の解消と持続可能なビジネスモデルの確立のために森林を増やし、安全な食事と仕事を提供を目指す」と、Sustainableに関する取り組み紹介を締め括った。

<続く>

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