自動車業界でのAWS利用が進んでいる。AWS re:Invent 2019では多くのモビリティ関連会社が、AWSの利用事例を発表した。ここでは、Toyota Connected社の利用事例について紹介する。
説明をしてくれたのは、Toyota Connected社のCTOのBrian Kursarさん。Brianさんは、「どの業界でもデジタルトランスフォーメーションは進んでいる。大切なのは技術トレンドと社会的トレンドをうまくミックスすることだ。」という。Toyota Connected社はCASE(Connected、Autonomous、Shared、Electrified)が自動車の利用方法、移動方法を大きく変えると考えている。
Brianさんは、クラウド利用を勧める理由として、(1) 無限のリソースのオンデマンド利用、(2) OPEXの節約、(3) 市場リーチ期間の短縮、(4) イノベーションへの集中、(5) 開発者のスキル向上、(6) ベストプラクティスの利用、(7) 運用の機敏性の向上、を挙げた。”Just in Time Production”(ジャストインタイム生産システム)はトヨタ社のDNAでもあり、サーバーレスのコンセプトはToyota社の企業風土にピッタリとはまるという。
また、Brianさんは、CxOの立場として、CASEをベースにして業界再編、イノベーティブな製品開発、デジテルデータによる顧客管理、製造とサプライチェーンなどを進めていくという。そこで重要なのはAWS社とのパートナーだそうだ。
Toyota Connected社は、モビリティサービスを提供するためのプラットフォームを、Closed Platform(専用プラットフォーム)からOpen Platform(オープンプラットフォーム)への移行している。Closed Platformは、維持管理は容易だが、他のプラットフォームとの連携が難しい。Open Platformであれば、ディーラー、レンタカー会社、ホテルチェーン、運送業者など、モビリティパートナーのエコシステムの構築も容易になるという。Brianさんは、Toyota社がHawaii限定で提供しているカーシェアサービスのHUIもAWSをベースにしていると話をしてくれた。
