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政府が主導する「トラストサービス」の三大柱とは?
2020.04.06

知っておきたい法改正のポイント第18回

政府が主導する「トラストサービス」の三大柱とは?

著者 田中 靖子

 リモートワークの普及により、電子契約の需要が拡大しています。JIPDEC(一般財団法人日本情報経済社会推進協会 )の調査によると、既に電子契約を導入している企業は44.2%であり、これから利用を検討している企業を含めると67.4%にのぼります。

 この流れを受けて、政府は「トラストサービス」の整備に乗り出しました。トラストサービスとは、インターネット上における人・組織・データの正当性を確認し、改ざんやなりすましを防止する仕組みのことです。トラストサービスの市場は伸び続けており、2018年度の市場規模は94億円、2030年頃には1,035億円に達すると予想されています(三菱総合研究所による試算)。

 政府が推進するトラストサービスとは一体どのような制度なのでしょうか?トラストサービスによって電子書類の法的効果はどのように変化するのでしょうか?

 今回は、法務省発表の最終案に沿って、トラストサービスの三本柱を紹介します。

既に法的効果が認められている電子署名

 トラストサービスを支える1つ目の柱が、電子契約に欠かせない「電子署名」です。

 ここでいう「電子署名」とは、個人名の電子証明書を指します。電子署名については、2001年から電子署名法(電子署名及び認証業務に関する法律)が施行されています。この法律によると、本人の電子署名が付されている場合は、その電子文書が真正に成立したものと推定されます。これは、紙媒体における「押印」や「手書きの署名」に匹敵する強い法的効果です。

 このような法的効果があることから、電子署名はe-Tax(国税の電子申告)を始めとして、様々な分野で幅広く利用されています。

 電子署名サービスを提供する企業については、主務大臣(総務大臣、法務大臣及び経済産業大臣)による公的な認定制度が設けられており、高い信頼性が確保されています。NTTネオメイトのe-Probatio PS2 サービス等を始めとした10のサービスが認定されており、認定業者の一覧は法務省のサイトで確認できます。

 電子署名とは別に、リモート署名の利用も拡大しています。電子署名よりもさらに簡易なツールとして注目を集めていますが、リモート署名の法的位置づけは不明確です。法務省の審議においても、リモート署名が電子署名法によって保護されるのかを明らかにすることが今後の課題として挙げられています。

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