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「個人情報」のルールは、厳しくなる一方で、緩くなる?
2020.03.02

知っておきたい法改正のポイント第16回

「個人情報」のルールは、厳しくなる一方で、緩くなる?

著者 田中 靖子

「仮名化情報」でデータ分析を促進する

 規制緩和の1つ目は、「仮名化情報」の新設です。

 現在の個人情報保護法では、本人の同意無しにデータを利活用するためには、「匿名加工」が必要です。「匿名加工」とは、データの一部を削除したり置き換えたりすることで、いかなる手段によっても個人を特定できないようにすることです。

 しかし、匿名加工する過程で、情報の有用性が失われ、活用する場面が限定的になるという問題があります。このような使いにくさがあることから、匿名情報を積極的に利活用している企業は14%にとどまり、匿名加工の意義を正しく理解している割合はわずか3.8%です(一般社団法人 データサイエンティスト協会調べ)。

 そこで改正案では、匿名情報と個人情報の中間として「仮名化情報」という仕組みを設けることを提案しています。

「仮名化」についてはっきりとした定義は書かれていませんが、GDPR(EU一般データ保護規則)に「仮名化(Pseudonymisation )」の定めがあることから、同様のルール作りを目指していると見受けられます。

 GDPR(EU一般データ保護規則)での定義は、「個人を特定できる追加的な情報を分離して保管することによって、その追加情報が無ければ個人を特定できないようにすること」とされています。

 仮名化情報は、改正後においても、第三者に提供することは禁止されます。ただし、本人からの各請求(開示・訂正請求、利用停止請求等)に応じる義務が無くなるため、企業の負担が軽減され、社内でのデータ分析に利用しやすくなります。

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