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「個人情報」のルールは、厳しくなる一方で、緩くなる?
2020.03.02

知っておきたい法改正のポイント第16回

「個人情報」のルールは、厳しくなる一方で、緩くなる?

著者 田中 靖子

 2019年には、企業による個人情報トラブルが相次ぎました。三菱電機リクルート社象印マホービン九州電力等を始めとする多くの企業が、顧客情報の漏洩を発表・謝罪しました。ファイル転送サービス「宅ふぁいる便」は、個人情報の流出をきっかけとしてサービス廃止を余儀なくされました。

 その中でも、就職情報サイト「リクナビ」を運営するリクルートキャリアが内定辞退率を販売した問題では、政府が初めて是正勧告を出すという異例の事態となりました。政府は個人情報を購入した35社の企業名も公表しており、トヨタ自動車や三菱商事、りそな銀行、アフラック生命保険、NTTコムウェア等の大企業が行政指導の対象となりました。

 いまや個人情報の管理は、企業の命運を左右する重要な業務の一つです。リクナビ事件においては、リクルート社が個人情報保護法を正しく理解しておらず、「内定辞退率は個人情報に当たらない」と誤解したことが事件の発端となっています。

 個人情報保護法は3年毎に改正されるため、常に新しい情報をキャッチアップしなければいけません。2020年は、この3年ごとの見直しの年に当たります。そこで今回は、2020年の法改正によってどのようにルールが変わるのかを解説します。

「アメ」と「ムチ」の法改正

 政府は2020年を「デジタル元年」と名付け、本格的にデータ関連の法整備に取り組む姿勢を見せています。海外では、GDPR(EU一般データ保護規則)カリフォルニア州消費者プライバシー法の施行により、個人情報を巡るルールは厳格化しています。この流れを受けて、日本でも個人情報保護法を改正して、規制を強化する方針です。

 具体的には、6ヶ月以内に消去される「短期保存データ」にまで規制範囲を広げることや、法人処罰規定について重科を導入して厳罰化すること等が、改正内容に挙げられています。

 全体的には規制強化の流れですが、「ビッグデータを活用したい」という企業の需要に応えて、規制緩和の動きもあります。

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