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基地局の問題をクリアした楽天モバイルが、それでも抱える大きな課題
2020.02.13

ケータイ業界の最新動向に迫る第76回

基地局の問題をクリアした楽天モバイルが、それでも抱える大きな課題

著者 佐野 正弘

 2019年10月に携帯事業に新規参入した楽天傘下の楽天モバイル。現段階での試験的な事業展開から、2020年4月には本格的なサービスを開始する。基地局の整備など、本格サービスへの準備は整いつつあることを盛んにアピールするが、果たして課題はすべて解消されるのか。楽天モバイルの携帯事業の今後について、考察してみたい。

ようやく「基地局問題」が解決しつつある

 2019年10月、楽天モバイルは携帯事業への新規参入に際して、ネットワーク設備をすべて仮想化するなど最先端技術の採用を打ち出し、華々しいデビューを飾ろうと努めた。。

 だが実際に提供されたサービスの内容は、実質的には試験サービスというべきものだった。無料サポータープログラム会員を5000人に限定して通信・通話を無料提供する。その代わりとしてアンケートへの回答を求める。こうした、名ばかりの「新規参入」に多くの失望の声が聞かれた。

 同社は今年1月23日に記者会見を開き、3月末での同プログラムの終了と4月からの本格サービスの開始を発表した。基地局整備の遅れを取り戻しつつあることが背景としてあるようだ。

 本格サービスが遅れた主因はネットワーク整備にある。楽天モバイルはMVNOとしての実績は豊富だが、携帯事業についてはゼロからのスタートとなる。基地局敷設に関しては、土地の確保や建設工事といったノウハウにそもそも欠けていた。整備は当初予定より大幅に遅れ、2019年3月、7月、8月と3度にわたって総務省から行政指導を受けている。

 だがグループ総出で取り組むことにより整備は加速し、ようやく当初計画を上回るまでとなった。同社の説明では、「総務省に提出した計画では2020年3月末までの施設予定が3432局。だが既に屋外基地局は3000局を超え、3月末には4000局となる」という。

 現在、基地局整備が進められているのは東京、大阪、名古屋、神戸といった大都市に限られる。その他の地域や建物内、地下などに関しては、引き続きKDDIとのローミング(事業者間提携)によって補われる。いずれにせよ自社ネットワーク整備を軌道に乗せたことが、次の段階に進める要因となったことは確かだ。

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