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基地局の問題をクリアした楽天モバイルが、それでも抱える大きな課題
2020.02.13

ケータイ業界の最新動向に迫る第76回

基地局の問題をクリアした楽天モバイルが、それでも抱える大きな課題

著者 佐野 正弘

KDDIのローミングだから、通信無制限プランは構築できない?

 立て直しが進むからといって、必ずしも順調な出だしを迎えられるとは限らない。無料サポータープログラムの動向によれば、実は楽天モバイルはネットワークだけではなく、サービスやサポートの分野でも多くの問題を発生させている。

 サービス開始当初から、実は多くの混乱が起きていた。電波の弱い場所でサービス登録ができない、あるいはサポートに問い合わせようにもつながらない……といったことだ。昨年12月には、無料サービスのはずなのに請求書が届く、あるいはありもしない料金プランがインターネット上で閲覧できる、といったトラブルが起きている。

 本格サービスの開始に際してはネットワークだけではなく、サービスやサポートに関する人員確保やオペレーションの改善なども求められる。これまではあくまで無料だからこそ、前述のようなトラブルもある程度は許容された。しかし、本格サービスは有料だ。諸事情に疎い利用者も増える。つまり、トラブル発生時の混乱はこれまでの比ではない。それだけに、サービスやサポート面の改善は必須なのだ。

 もう1つ、気になるのは料金プランだ。楽天モバイルには、通信・通話が使い放題の料金プランを提供するには難しい部分がある。

 理由はローミングにある。先に触れた通り、楽天モバイルでは自社ネットワークが整備されていない地域に関してはKDDIネットワークのローミングに頼っている。つまり利用者がローミングでKDDIの回線を利用するごとに、楽天モバイルはKDDIに料金を支払わなければならない。

 その金額は1GBでおよそ465円。つまり10GBの利用で、5,000円近くをKDDIに支払うことになる。そうした事情を考慮すれば、楽天モバイルが無制限に大容量プランを提供することは難しい。現在、格安な通信事業としてMVNOで展開しているサービスと同様に、容量も料金も少なめのプランに力を入れざるを得ないのではないか。

 5Gのサービス開始に向け、携帯大手3社はデータ通信無制限、あるいはそれに近いプランの提供に関して検討を進めている。そういった状況下、限られた容量のプランだけで楽天モバイルが勝ち抜いていくのは難しいだろう。ローミングという制約を受けながらも、多くの人にインパクトを与えるプランを提供し、結果として多くの顧客を獲得できるかどうかが、楽天モバイルにとっての大きな課題となってくる。

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