実は、縦折りスタイルのスマートフォンはGalaxy Z Flipが初ではない。米モトローラ・モビリティも既に、米国で縦折りスタイルのスマートフォン「razr」を提供している。
こちらはその名称が示す通り、かつて海外で一世を風靡し、日本市場にも投入された同社の折り畳み型携帯電話「razr」をイメージしたもの。Galaxy Z Flipより一層折り畳み型携帯電話らしさを前面に打ち出した端末となっている。
折り畳みスマートフォンはこれまで、タブレットのような大きなディスプレイを、スマートフォンサイズで持ち運べるようにするという発想で作られてきた。それゆえ当初は横折りスタイルのものが主流となっていたが、最近増えている縦折りスタイルのスマートフォンからは、従来とは異なるアプローチを見て取ることができる。
それは、スマートフォンをコンパクトにして持ち歩きやすくする狙いだ。スマートフォンは今や6インチクラスが当たり前になるなどディスプレイサイズが非常に大きくなり、その分サイズも大きくなってしまったことから日常的に持ち歩くのも不便になってきた。
しかし、縦折りスマホの登場により、利用しないときはコンパクトなサイズにするという新スタイルの発想が出てきたといえる。
もちろん、折り畳みスマートフォン自体が新しい概念であり、まだそのスタイルも確立されている訳ではない。だが、中国のTCLが3つ折りスタイルのタブレットのコンセプトモデルを打ち出すなど、新しい折り畳みスタイルのアプローチも出てきているだけに、今後もさまざまなスタイルの折り畳みスマートフォンが登場し、新しい使い方を提案してくることとなりそうだ。