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企業・自治体に大人気「ローカル5G」の期待と不安
2020.01.28

ケータイ業界の最新動向に迫る第75回

企業・自治体に大人気「ローカル5G」の期待と不安

著者 佐野 正弘

ローカル5Gで注意すべき「ノンスタンドアローン」の罠

 とはいうものの、ローカル5Gを導入すれば、すぐにもスマートファクトリーが実現できるとはいえない現状があることも忘れてはならない。その理由はローカル5G用の周波数帯にある。

 現在ローカル5G向けとして割り当てられている周波数帯は、28GHz帯の一部を100MHz(28.2〜28.3GHz)幅と、携帯電話会社向けに割り当てられているものと比べると少ない。本来は4.5GHz帯を200MHz幅、28GHz帯を900MHz幅と、かなり広い帯域が割り当てられる予定なのだが、それらの帯域に影響を与える既存のシステムとの調整が必要なことから、調整が済んでいる28GHz帯の一部の割り当てを先行して進めている状況なのだ。

 もちろん、ローカル5Gは携帯電話会社とは異なり、各事業者が独自にネットワークを展開するため、互いに影響を与えあうわけではない。帯域幅の狭さが大きなデメリットにつながることはないだろう。

 だが、現在割り当てられている帯域には、ローカル5Gの本領を発揮する上で、もう1つのデメリットが存在する。

 それは、この帯域では、4Gネットワークの中で5Gネットワークを運用しなければならないことだ。いわゆる「ノンスタンドアローン」(4Gの設備を用いて5Gサービスを提供すること)での運用が必要とされる。それゆえ、ローカル5Gを展開するには5Gだけではなく、地域BWA(広帯域移動無線アクセスシステム)向けの2.5GHz帯などを用いて、4Gのネットワークも同時に用意する必要がある。つまり手間とコストがかかるのだ。

 またノンスタンドアローン運用では4Gのネットワーク性能に引きずられてしまうため、5Gの特徴のうち実現できるのは、高速大容量通信のみとなる。低遅延や多数同時接続などを実現するには、5Gの機器のみでネットワークを構築する「スタンドアローン」運用への移行が必要となる。現時点でのローカル5Gで実現できることは限定的なのだ。

 現時点で、ローカル5Gに過度な期待を持つのは禁物だ。導入するには、ローカル5Gの現状と今後の動向を見据える必要がある。そうする中で、果たしてローカル5Gが適切なのか、それともプライベートLTEやLPWA(Low Power Wide Area、低い消費電力で、長距離の通信を可能にする無線技術のこと)など、他のネットワークを活用した方がよいのかを、十分に検討する必要があるといえそうだ。

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