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厳しい状況にある国内スマホメーカーの生き残り策とは
2020.01.16

ケータイ業界の最新動向に迫る第74回

厳しい状況にある国内スマホメーカーの生き残り策とは

著者 佐野 正弘

次のチャンスをつかむため事業維持が重要

 国内メーカー各社の動向を探ると、そうした環境下で生き残るために、2つの異なる戦略を取ろうとしているように見える。1つは低価格が求められるコンシューマー向けから距離を置き、手堅く継続的な需要が見込める法人向けのスマートフォン開発に注力することだ。

 この戦略を重視しているのが、FCNTと京セラの2社である。FCNTはシニア向けの「らくらくスマートフォン」など、手堅いスマートフォンを手掛ける一方で、プライベートLTEを活用した自営PHSの後継となる規格「sXGP」をサポートした法人向けのスマートフォン「arrows BZ01」を提供し、それらを活用したソリューションによるビジネス開拓に力を入れつつある。

 また京セラは、「TORQUE(トルク)」シリーズをはじめとした高い堅牢性を持つスマートフォンに強みを持つ。そうしたことから米国を中心に、工事現場など堅牢性を必要としている企業に向けたスマートフォンの提供に力を注いでいる。

 そしてもう1つは、スマートフォン単体ではなく、他の製品やサービスと連携した価値提供を進めることだ。この戦略に力を入れているのがシャープとソニーモバイルコミュニケーションズである。

 実際シャープは、AIとIoTを組み合わせた「AIoT」のサービス拡大に力を入れており、クラウド経由でAIoTサービスを提供する「COCORO+」の活用により、スマートフォンと家電との連携を推し進めている。一方ソニーモバイルコミュニケーションズの親会社となるソニーは、2019年4月にテレビやカメラとスマートフォンの事業を統合し、それらの技術を集結したスマートフォンを開発するだけでなく、同社が得意とするテレビやカメラとの連携にも力を入れてきている。

 世界的に飽和が進みつつある状況下で、国内メーカーがスマートフォンでシェアを挽回するのは難しいと言わざるを得ない。だがスマートフォンはさまざまな分野につながるキーデバイスであることは確かなだけに、それを失ってしまえば将来の事業可能性のチャンスも失うことになってしまう。なんとか事業を維持しながらも、今後訪れる新時代のチャンスをつかむことこそが国内メーカーには求められそうだ。

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