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なぜ「HUAWEI nova 5T」は、米制裁下でもリリースできたのか?
2019.12.13

ケータイ業界の最新動向に迫る第73回

なぜ「HUAWEI nova 5T」は、米制裁下でもリリースできたのか?

著者 佐野 正弘

 米国から制裁を受け、スマートフォンにグーグルのサービスを導入できないなど、ビジネス面で大きな影響を受けているファーウェイ・テクノロジーズ。そのファーウェイが2019年11月29日、日本市場に向けて新しいスマートフォン「HUAWEI nova 5T」を投入した。

 制裁が解けていない中、新機種を提供したのには、どのような理由があるのだろうか。

米制裁によりグーグルを搭載できず

 中国のスマートフォン大手であるファーウェイ・テクノロジーズは、現在米国からの制裁を受け、グーグルをはじめとする米国企業との取引ができない状況となっている。

 それゆえ、同社による最新の自社製スマートフォンでは、オープンソースであるAndroidのOS部分こそ従来通り利用できるものの、「Gmail」「Googleマップ」、アプリストアの「Goole Play」などを含めたサービス「GMS(Google Mobile Services)」は搭載できない。GMSが搭載されていなければ、Androidスマートフォンでグーグルのアプリが利用できなくなるだけでなく、Google Playを使ってさまざまなアプリを入手することもできないので、スマートフォンとしてはかなり使い勝手が悪くなってしまう。

 ファーウェイ・テクノロジーズのお膝元である中国では、さまざまな規制の影響から、2010年にグーグルが撤退している。そのため、中国で販売されているスマートフォンには元々GMSが搭載されておらず、各社が独自のアプリやアプリストアなどをプリインストールして提供している状況だ。

 だが日本を含め、中国以外でAndroidスマートフォンにGMSが搭載されていない国はほとんどない。つまり、ファーウェイ・テクノロジーズは、この制裁によって中国以外でのスマートフォン販売において、大きな制約を受けてしまうことになる。

 そうした中、同社の日本法人であるファーウェイ・ジャパンは、2019年11月14日に新製品発表会を実施。米国からの制裁の影響が明確になって以降、日本では初となるスマートフォン新機種「HUAWEI nova 5T」の投入を発表した。

 HUAWEI nova 5Tは、高い性能を備えながら比較的価格が安い「nova」シリーズの最新機種であり、日本では2018年に発売された「HUAWEI nova 3」の後継に当たるモデルだ。

 なぜファーウェイ・テクノロジーズは、このタイミングで、新機種を日本市場に投入したのか。そしてHUAWEI nova 5Tは、日本で問題なく使えるモデルなのだろうか?その理由をひも解くためにも、改めてHUAWEI nova 5Tの中身について確認しておきたい。

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