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採用面接で「入社後に何をしたいですか」と聞いてはいけない
2020.01.20

マネージャーの極意第9回

採用面接で「入社後に何をしたいですか」と聞いてはいけない

著者 八木 昌実

「あなたは入社後、どのように仕事に取り組みたいですか」

 採用面接でよく聞かれる質問です。しかし、プルデンシャル生命保険で支社長などを歴任した八木昌実氏は、「採用面接で入社後の決意を聞くのは、最もやってはいけないことの1つ」と断言します。

 入社後に活躍できる人材を採用するには、過去の経験をベースに、求める資質が備わっているかを知ることが不可欠です。加えて、誰が面接しても同じ結果になるよう、評価軸を揃える必要があります。

「これから○○します」には価値がない

 先日、あるテレビ番組で某企業の採用シーンを紹介していました。その様子を見ていた私は、思わず「これじゃダメだ」とつぶやいてしまいました。面接官のスキルの低さに、目を覆わずにはいられなかったのです。

 例えば、入社志望者と面接官のこんなやり取りです。

入社志望者 「前職では××に力を入れていました」
面接官 「そうですか。ということは、あなたが当社を志望するのは○○という理由からですね?」

 志望者を誘導するような質問は、最もやってはいけないことの代表例です。なぜなら、聞かれた側は「はい」としか答えようがないからです。これでは、志望者の本心を知ることはできません。

 もう1点、「これでは優秀な人は採れない」と思った理由が、未来志向型の質問を繰り返していたことです。

「異業種への転職になりますが、我々としては、過去に囚われることなく頑張ってほしいと思います。今後、あなたは当社で何がしたいですか」

 このように、面接時に入社後の抱負を聞くのは常識だと思うかもしれません。しかし、これもダメな面接の典型です。意気込みや抱負は誰にだって言えます。そんなことを聞いたところで、本当に優秀な人材を見分けられるでしょうか。答えはノーです。

 面接官が知るべきこと、聞くべきことは、「今まで何をしてきたのか」です。「これから○○します」という話には、まったく価値がありません。

 基本的に、人間は過去の行動を繰り返す生き物です。どんな場面で、何を考え、どう行動し、どんな結果を出したのか。本人の軌跡をしっかり聞き、評価してあげることが面接官の責務です。そこに注力しなくては、真面目に頑張ってきた人に失礼だとすら私は思います。

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