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仕事ができない部下ほど、私生活を聞き出す必要がある
2019.12.16

マネージャーの極意第8回

仕事ができない部下ほど、私生活を聞き出す必要がある

著者 八木 昌実

根本的な悩みを解決すれば、物事は一気に好転する

 部下が自分で解決策を見出すのが難しそうなときは、マネジャーにできることは4つあります。「助言」し、「合意」し、「期限を設定」し、「フォローアップ」することです。

 具体的なケースで見ていきましょう。

 例えば、部下が借金を抱えて悩んでいる場合。お金の問題については、解決するのは本人です。お金の貸し借りは人間関係のトラブルの主な要因になるため、間違っても上司がお金を支援してはいけません。自分で解決できるよう、背中を押す必要があります。

 もし、部下が借金のことを妻や家族に打ち明けていないようなら、私はまずこう助言します。

「そうか。それならまず、奥さんに話したほうがいいんじゃないか。そのうえで、ご両親にお金を借りることができないか、相談してみてはどうだろう」

 こう提案し、部下の反応を待ちます。

 ここで重要なのは、解決への第一歩となるアクションを、部下とともに決めることです。合意を得られない場合には、「では、どうしたらいいと思う?」と、本人から解を導き出します。

 やるべきことが決まったら、次に「いつまでにやるか」を決めます。例えば、「今日、家に帰ったら奥さんに話をしよう」「今週末は実家に帰り、ご実家の両親に話をしよう。そのために、今晩中に実家に連絡を入れておこう」といった具合です。いつまでに、何をすべきかが明確化されると、あとはやるだけという状況になります。

 とはいえ、放っておくと、また先延ばしにしかねません。そこで、「週明けの月曜日、午前10時にまた話そう」など、アクションを起こしたかどうかを確認する日時も決めておきます。こう告げると、部下は動かざるを得なくなります。

 あとは簡単です。「いつ、何をすべきか決まったから、とりあえず今は仕事に集中しよう」と言って、部下を現場に送り出します。こうすると、仕事への集中を阻害していた要因が取り除かれ、パフォーマンスが上がりやすくなります。

 悩みや課題が複数ある場合には、話し合いながら優先順位を決めます。ポイントは、難しい問題から解決することです。大きな問題をクリアできると、他の問題も一気に解決することがあるためです。

 例えば、先ほどの借金の場合。お金を借りていることが主要因だとすると、そのことを妻に言えないことで家庭内の雰囲気がギクシャクしたりします。家に帰りにくくなってダラダラと残業し、睡眠不足で体調が優れず、仕事の成績も下がる……など、借金が別の悩みや課題を引き起こしていることも、よくあります。

 このケースでは、借金の問題を解決できれば、家庭内での居心地が良くなり、仕事にも集中しやすくなります。つまるところ、私生活の悩みも仕事の課題も同じです。優先順位の高いものから片付ければ、心に余裕ができ、目の前のことに集中しやすくなって、物事が一気に好転していくのです。

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