クラウドやモバイルといったテクノロジーを活用すれば、コンタクトセンターの「在宅勤務化」は可能です。それどころか、緊急時の対策だけでなく、ここ数年、コンタクトセンターの成長の足かせとなってきた問題を一掃し、今後の進化を加速させる大きな可能性があります。
前編では、コンタクトセンターを在宅勤務化することによって、享受できるメリットを紹介しました。いわゆるエッセンシャルワーカーなど、業務の形態や性格から在宅勤務のしようがない職種も多い中、コンタクトセンターは在宅勤務に良くフィットし、それが企業、顧客、従業員といったステークホルダーのすべてにメリットをもたらすのです。
しかしながら、現状、欧米諸国のように在宅勤務化が進まない理由として、「接続性」「安全性」「エージェント管理」「執務環境」「現状維持バイアス」の5つが考えられます。これら5つの課題を克服し、在宅勤務化を推進するためのポイントについて説明します。
(1)接続性
ここでいう「接続性」とは、エージェントが、電話やメールなどの顧客コンタクトプラットフォームや、CRM、社内の業務システムなどに、自宅からどうアクセスするかということです。
前者については、「クラウドサービス」を利用することに尽きると言って良いでしょう。PBXなど従来の「オンプレミス」型のプラットフォームに比べて、はるかに簡単で迅速かつ安価に導入できます。ちなみにオンプレミス型のプラットフォームでも、携帯電話などへのルーティング機能を提供している場合があるので、あきらめずに確認しましょう。
後者についても、第一選択肢としては「クラウド」化を図ることです。そうでない場合は、「VPN」接続サービスなどを利用して安全に接続する環境を構築することになるでしょう。