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この機を逃すな!コンタクトセンターの在宅勤務を進めるべき理由
2020.06.19

AI時代を生き抜く「本物」のコールセンター運営法第16回

この機を逃すな!コンタクトセンターの在宅勤務を進めるべき理由

著者 熊澤 伸宏

 日本のコールセンターは、ここ20年の間に、コンピューター2000年問題(1999~2000年)、H1N1新型インフルエンザ(2009年)、東日本大震災(2011年)と、3つの大きな災害に見舞われ、その経験から、BCP(業務継続計画)やDRP(災害復旧計画)の策定、複数拠点化などの備えを施してきました。

 ところが、今回の新型コロナウイルスのパンデミック(以下コロナショック)には、それらの経験や備えがほとんど役に立ちませんでした。

 しかし、幸いなことに、この間のクラウドやモバイルといったテクノロジーの進化が、私たちに「在宅勤務」という切り札を与えてくれました。

 さらに、在宅勤務には、コロナショックという緊急時対策だけでなく、ここ数年、コンタクトセンターの成長の足かせとなってきた諸問題を一掃し、今後の進化を加速させる大きな可能性があることもわかってきたのです。

 この記事では、そんなコンタクトセンターの在宅勤務化がもたらす可能性を探り、その構築のポイントについて、前後編の2回に分けて解説します。

コロナショックで一気に現実化したコンタクトセンターの在宅勤務

 在宅勤務は、コンタクトセンターにとって20年来の課題でしたが、その優先順位は低く、最近になって「働き方改革」の一つのオプションとして話題になる程度に過ぎませんでした。

 それが、今回のコロナショックによって、突然、しかも半ば強制的にその実現を迫られることとなったのです。なぜなら、典型的な「3密職場」であるコンタクトセンターにとって、感染症対策の最大の目的である「健康と安全」を確保して業務を継続するには、在宅勤務以外の選択肢がないからです。

 そのため、多くのコンタクトセンターが続々と在宅勤務を進めていますが、統計上は、日本の現状の実施率は30%程度に留まっており、70%を超える欧米諸国には遠く及びません。また、すでに在宅勤務を実施しているコンタクトセンターのうち、コロナショック収束後もその継続を明言するのは、欧米諸国の70%超に対して、日本では10%にも満たないと見られているのは興味深いところです(注)。

注:在宅勤務の実施状況に関する統計は、調査によって結果のバラツキが激しいため、政府、地方自治体、日本テレワーク協会等の統計資料から筆者が推計した。

 このことから言えるのは、日本企業のコンタクトセンターにとって、在宅勤務は、あくまでもコロナショック対策という一過性のイベントに過ぎず、それが収束すれば“元に戻る”ことを前提としているということです。それは、コロナショック期間中の国内コンタクトセンター関連業界の話題が「3密対策」に終始していることからもうかがわれます。

 しかし、次項で述べるように、在宅勤務には、コロナショック対策だけに留まらない多くのメリットがあり、だからこそ諸外国のコンタクトセンターは、一斉に在宅勤務の恒常化に舵を切ったのです。もはや彼らの関心は、単なる緊急時対策から、在宅化によるコンタクトセンターの変革と新たな成長へと移っているのです。

 日本のコンタクトセンターも、この機会をみすみす逃して良いはずがありません。次項で述べる数々のメリットを確認して、ぜひ、在宅勤務を核とした新しいコンタクトセンター作りを進めてください。

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