在宅勤務環境下では、上記のように上司に連絡することをためらう部下がいる一方で、いつも以上に頻繁に上司に判断を仰いだり、コメントを求めてくる部下も現れます。上司が忙しそうか余裕がありそうか、同じオフィスにいる時ならば部下も様子を見て判断できますが、在宅勤務下ではそれも叶いません。しかし、彼らからの相談事にその都度対応していては、上司自身が本質的な仕事をする時間が奪われてしまいます。
非営利団体のトップを務めるMarissa氏は、1日1時間、部下からの細かい相談事や確認事項などを受けるための時間をスケジュールに組み込んでいます。その時間になると、彼女はビデオ会議アプリを立ち上げ、部下からのコンタクトを待ちます。誰か1人が相談事を持ち込むと、オフィスのドアを閉めるのと同じように、ビデオ会議をプライベートモードにして、二人きりで話し合います。
この時の部下との会議は、「必ず10分以内で終わること」がルールです。10分以内に終わらない案件の場合は、別の時間に改めて会議を設定します。他の部下も、Marissaの会議が10分で終わると知っているので、何か相談事があれば10分後にコンタクトすれば良いとわかります。
このような仕組みを作っておくことで、在宅勤務下で上司の姿が見えなかったとしても、部下からの「今ちょっといいですか?」というトーンの相談事をコントロールしやすくなります。部下からの細々した相談や質問にまとめて対応することで、上司もそれ以外の時間を自分自身の仕事に有効に使えるようになるのです。