チームの目的によって最適なオフィス設計は変わります。最近では社員の業務コミュニケーションのデータを分析し、オフィス設計に反映させる企業が増えているといます。
たとえばある電力会社では、社員のやり取りを追跡して、業務の相互依存性の高い部署をあぶり出し、それらの部署を同じ場所に集めることでコラボレーションの増加に成功しました。逆にドイツのある大手銀行では、チームを跨いだやり取りが増えると、各チームのパフォーマンスが悪化することがわかりました。そのため、各チームを別々の部屋に移動させ、チーム内で閉じたやり取りを増やすオフィス設計に変更したといいます。
オフィスは適切なメンバー同士が適切なタイミングで、適切な量のコミュニケーションを行えるように設計されるべきもので、そのバランスや程度はチームの状態や目的により大きく異なります。チーム毎の個別事情を分析せず、画一的にオープンでフレキシブルなオフィスを目指すと、コミュニケーションが減ったり、コラボレーションの発生確率が下がるといった弊害が生じがちなのです。
※掲載している情報は、記事執筆時点(2020年2月26日)のものです。