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オープンなオフィスでは、逆に心理的な“壁”が作られる
2020.03.03

海外論文に学ぶビジネスのコツ第21回

オープンなオフィスでは、逆に心理的な“壁”が作られる

著者 前野 智子

物理的距離が離れるとコミュニケーション量も減る

 論文ではもう一つ、オフィスのコミュニケーション量に大きな影響を与える要素が示されています。それは物理的な距離の近さです。MITメディアラボの調査によると、同じ会社で働く任意の2人がやり取りをする確率は、2人のデスクの距離にそのまま比例していました。

 例えばある大手消費財メーカーの本社で調査を行ったところ、同じチームのメンバー同士が同じフロアにいる場合、やり取りが生じる確率は、別のフロアにいる時の6倍になりました。さらに違うチームのメンバー同士が同じフロアにいる場合、やり取りが生じる確率は9倍にもなりました。

 対面での接触であれば当然の結果ですが、この原則はデジタル上でのやり取りにも当てはまるのだといいます。大手IT企業で調査したところ、リモートワーク社員の業務コミュニケーション量は、同じ場所に集まって働くチームのメンバーと比べ、80%近く少なくなっていました。さらに17%のプロジェクトでは、リモートワーク社員は全くコミュニケーションを取っていませんでした。

 つまり、どんなにチャットアプリや社内SNSなどのデジタルツールが導入されていたとしても、社員のコミュニケーション量の基準は、オフィスでの物理的距離で決まるというのです。

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