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“空気”に縛られた会社を変える、3つの条件
2020.01.17

日本企業を動かしている「空気」の正体第2回

“空気”に縛られた会社を変える、3つの条件

著者 柴田 昌治

1. 正直ベースで話し合える仲間をつくる〈一緒に考える〉

 何事につけ「自分でやりきる」ことを是とするのが、調整文化のメンタリティです。しかし、一人で考え詰めるのと、異なる立場や経験、意見の持ち主とやりとりしながら共に考えるのとでは、視野の広がりや思考の深まり方がまったく違います。その意味で、今日の「考える」とは「人とやりとりしながら考え抜く」ことなのです。

 そのとき、お互いがタテマエで向き合うままだと、無理に結論へと導こうとする予定調和になってしまいます。互いのモヤモヤした気持ちをぶつけ合い、めざすものに共感し合いながら個々の思いを膨らませ、知恵を出し合う。そんな仲間として連携していくことが大切なのです。

2.立場をはずす〈チームになる〉

 組織の序列構造が一種の美意識で支えられているうちは、とくに部下は「上司に従う」という思考の枠から離れて自由に考えることはできません。したがって、まずは上司側から、序列意識を自ら率先してはずす努力が必要です。

 “立場に縛られない状態”とは、ずばり本当の意味での「チームになる」ことです。共通のめざすものに向かって、それぞれがミッションや役割をもって協力し合う。こうしたチームという自由な関係にお互いを変えていくことが第一歩です。そのためには、心理的な安全が確保された対話の場で、上司も部下も、互いに表に出すことがなかった内心を口にし合い、互いに理解し合う機会をつくる必要があります。

 部下側からは、上司の指示に対する「問い返し」の習慣化が必要です。調整文化の中では、あうんの呼吸で「一を聞いて十を知る」態度の部下が評価されてきました。上司の指示に対して「どういう意味ですか?」などと聞き返すのはご法度だったり、評価ダウンにつながったのです。当然、問い返しには抵抗感があり勇気も必要です。それを引き出す上司の後押しと、向き合い方を変えていこうという互いの努力が必要なのです。

3.意味や目的を考える〈思考が開いていく問い〉

 思考停止状態の「考える」とは、“規律正しく組織の作法を守る”という前提で、「できません」とは言えない空気の中での縛られた思考です。まず「できるかできないか」を判断し、「どうやるか」を決めていく。この機械的な処理思考が「手段の目的化」に直結します。

 こうした無意識の前提を変え、発展的に広がる思考をするためには「開かれた問い」が必要です。たとえば、自分たちにとって本当に大事なことは何か、何のためにそれをやるのか、を問い直してみる。「そもそも…とは?」と掲げられた方針や予定したプランの意味や目的までさかのぼって問い直し、そこにある価値について考えていく。これは明確に一つの答えが出し難い、これまでの組織では敬遠された問いです。

 このような”開かれた”問いに向き合い続け、人々の思いや意思をビジネスに組み込んでいくことが、日本社会に蔓延する調整文化を克服していく鍵なのです。

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