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なぜ、NTT Comは「コンタクトセンター・アワード」を連覇できたのか
2020.02.07

コールセンターの現場から第4回

なぜ、NTT Comは「コンタクトセンター・アワード」を連覇できたのか

著者 Bizコンパス編集部

前例の少ない“音声AI自動応答”導入へのチャレンジ

 次に同センターでは、声による問いかけにも回答できるように音声AI自動応答を導入します。チャットの利用者が増加する一方、電話での応対を必要とする顧客もまだ多く存在します。AIの活用によって、音声で問い合わせをする顧客にも24時間365日対応することにチャレンジしました。

 使用したサービスは、ボイスデジタルトランスフォーメーション(コンサルティングモデル)です。

 コンタクトセンター業界において、比較的ノウハウが確立されているAIチャットボットに比べ、音声による電話受付をAIが自動応答する仕組みの事例はまだ多くありません。難易度の高い取り組みだったため、同センターでは3つのステップで導入を進めていきました。

 最初のステップはコンタクトセンターの営業時間外にサービスを限定した運用です。当初は、前述のAIチャットボットで活用したFAQをAIに学習させて運用を開始しましたが、思うような回答精度が得られなかったといいます。

 そこで、同センターでは質問・回答項目の追加や言葉のゆらぎ、言い回しの登録などを重ねていきます。AIが質問の趣旨を理解できずに聞き直した質問や、別の回答を返してしまった質問に対しては、有スキル者が正しい回答への紐づけを行いました。このような地道なチューニングが功を奏し、運用から1カ月を過ぎたころ回答精度は徐々に向上していきます。

 回答精度が改善してきたことから、同センターでは回答対象サービス範囲の拡大という次のステップに進みます。この取り組みに向けて、顧客がどのサービスについて質問しているのか特定するための「更問い」のフローを実装。しかし、更問いの部分で多くの離脱者が発生してしまうことになります。

 そこで必要なときにのみ更問いを行うという設計の見直しを実施。その結果、回答精度は9割以上に達し、1カ月に3,000件の応対をAIが代替するようになりました。(※2019年3月時点)

 その後、2019年8月より3つ目のステップである24時間365日対応の運用がスタート。簡単な問い合わせはAIで、複雑な問い合わせは人が対応するというハイブリッド運用にチャレンジしています。

 2019年度はこの音声自動応答を活用した顧客接点拡大への取り組みが新技術の先駆的導入事例であると評価され、二年連続のコンタクトセンター・アワードの受賞につながりました。

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