こうした働き方改革を進めると同時に、同社は「V2MOM」と呼ばれる人事考課の仕組みを採り入れています。
V2MOMは、達成すべきこと(Vision)、価値基準(Value)、実現方法(Methods)、課題や問題点(Obstacles)、そして評価基準(Measures)を明確化したもので、Phone Appliでは半年に1回、全社員が作成しています。
「V2MOMの内容は全社員に公開されています。誰かと一緒にプロジェクトをする場合は、その人のビジョンやバリューを把握してから、一緒に働くことができます。評価基準であるMeasuresをオープンにすることで、自然とお互いへの思いやりが生まれ、不公平感の解消につながることもメリットだと考えています」(石原氏)
人事における取り組みの中で、特に「うまくはまっている」(石原氏)というのが、「Weekly 1 on 1」です。これは上司と部下が1週間に1回、30分間の面談を必ず行うという施策です。
「上司と部下の信頼関係を築くための場です。部下はどういうことに成長実感を持つのか、将来やりたいことは何か、そのための道筋をどうするのか、といったことを上司と部下がお互いに話し合います。最初は“忙しいからできない”と社内から反対されましたが、押し通しました。その結果、最も社員の満足度が高い施策になりました。
この取り組みでは上司と部下の発話時間を計測しており、上司ばかりが一方的に話す面談にならないよう、80%以上部下が発言することをルールとしています。会話バランスも可視化されるため、それが上司の気づきになり、回を重ねるごとに1 on 1はブラッシュアップされていきます」(石原氏)