三上氏の話が終わると、メインの話者は工藤氏へチェンジ。工藤氏は、NTT Comにおける働き方改革の取り組みは、「ツール」「ルール」「マインド」という3つのアプローチで推進しているといいます。
「ツールは、Microsoft 365と弊社のサービス、ソリューションを組み合わせた新コンセプトのデバイス『セキュアドPC』を導入しています。さらに、Teamsを全社導入しており、会議の効率化を推し進めています。
ルールについては、リモートワーク、フレックス制度を導入しています。Teamsなどのツールはもちろん、昨年1月の新オフィスへの移転をきっかけとしたコミュニケーションの活性化で、多様な働き方を受容するマインドの改革も併せて行ったことで、効果的な制度となっていると思います。この3つをうまく組み合わせて、私たちの働き方改革を進めています」
工藤氏は、リモートワークに “劇的な効果”があった取り組みとして、セキュアドPCを挙げました。
「従来は、通信接続が大前提となるシンクライアント端末を使っていましたが、セキュアドPCはファット端末のため起動や操作にかかる時間が短縮され、社内外での使い勝手が大幅に向上しました。セキュリティ面に関しても、NTTセキュリティオペレーションセンターが24時間すべての端末の動作を監視しており、充分なセキュリティレベルを担保しています」

さらに、Teamsを全社で導入したことにより、社内外のコミュニケーションも大きく変化。会議やちょっとした打ち合わせ・話し合いなど、さまざまな情報連携のシーンで活用されるようになりました。加えて、スマートフォンでもTeamsが利用できる「セキュアドスマートデバイス」の導入もスタートしています。
「弊社では社員の個人端末をBYODで使っていますが、Microsoft 365に含まれるサービス『Microsoft Intune』の導入により、個人端末を会社領域、個人領域に分離して管理することで、個人端末からもTeams等のアプリケーションを安全に活用できる環境が整備されました。これによりリモートワーク環境の活用がさらに向上しました。
また今年の12月には、NTT Comの技術をTeamsに組み合わせることで、Teamsから外線発信できる新サービスの提供も予定しています。Teamsをハブにしたコミュニケーションの活性化がさらに図れると見込んでいます」
社員のマインドを切り替えるきっかけとなった新オフィスでも、コミュニケーションを活性化するさまざまな仕掛けが導入されています。
「靴を脱いで上がるカーペット敷きの“カジュアルスペース”では、自由に仕事や休憩ができます。一方で、集中して作業をしたい場合には遮音性の高い“集中作業スペース”もあります。さらに、上司と部下の対面ミーティング用の“1 on 1ブース”では上司と部下の会話の割合を測定する仕掛けを導入し、コミュニケーションの活性化に役立てています。これらのスペースは、今後も社員からの意見をどんどん取り入れて、多目的に活用範囲を広げていく計画です」

マイクロソフトのケースでも、NTT Comのケースでも、働き方改革の鍵となっているのは、TeamsやセキュアドPCのような、最先端のITツールです。「ルールを決めてもうまくいかない」「社員に呼びかけても変わらない」という場合、ツールを見直すことで、工藤氏が指摘した「ルール」「ツール」「マインド」のバランスが取れ、働き方改革が進むかもしれません。
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