故事・名言とは、多くの人が「正しい」と信じるがゆえに、昔から代々語り伝えられてきたものです。そこには、たとえ科学的ではないとしても、「真理」が詰まっています。だからこそ、長い時間をかけて多くの人々の心の中に浸透していったのです。
こうした故事・名言の中にも「習慣の偉大さ」が語られているものがあります。「継続は力なり」も、その一つ。
小さな積み重ねや習慣の大切さは、偉人の名言や故事から読み解けます。今回はそれらを実際に読み解いていきたいと思います。そして、そこから良い習慣を身につけていくためのヒントをつかんでいきましょう。
何気ない日々の言動をおろそかにしてはいけない
まずは、続けることの重要さを知るために、次の名言から紹介していきます。
「人は習慣によってつくられる。優れた結果は一時的な行動ではなく、習慣から生まれる」(古代ギリシャの哲学者 アリストテレス)
人は習慣の生き物であり、人生で目指す結果は一時的な努力ではなく、継続的な積み重ねから生み出されるものだと、アリストテレスは語っています。 彼は生涯にわたって、ほとんどあらゆる学問領域を対象に仕事をしてきました。政治,文学,倫理学,論理学,博物学,物理学など、著作は約550巻にもわたるとされます。天才であったことに間違いはありません。加えてアリストテレスが地道な習慣を継続してきたことにも間違いはないでしょう。
「小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道だ」 (シアトル・マリナーズ イチロー)
現在、シアトル・マリナーズ会長付特別補佐を務めるイチローの野球人生は、偉大なる結果の積み重ねです。MLBシーズン最多安打記録保持者(262安打)であり、通算安打世界記録保持者(NPB/MLB通算4367安打でギネス世界記録に認定)でもあり、最多試合出場記録保持者(NPB/MLB通算3604試合出場)でもあるのです。
そんなイチローがいつも強調していたのが「小さなことを積み重ねること」です。レギュラーから外され、試合に出場する機会が減っても、毎日の練習やルーティンを積み重ねる姿勢はまったく変わることがありませんでした。