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「効率」「成果」も大事だけど、「豊かさ」を忘れてはいけない
2019.12.23

今すぐできる組織の改善第88回

「効率」「成果」も大事だけど、「豊かさ」を忘れてはいけない

著者 古川 武士

時間術3.0 =豊かさ「時間は命と考え、生き方を変える」

 時間とは、詰まるところ生きている時、つまり「人生」です。人生をどう過ごすかを考えることは、“命をどのように尽くすか”を探ることです。

 冒頭の星野リゾートの星野社長は、人生の豊かさの観点から、仕事以外にスキーを重視しました。豊かさを最大化するための時間配分といえます。ほかにも、グループウェアソフトで急成長しているサイボウズの青野慶久社長は、育児に積極的に取り組んでいる経営者として有名です。会社でのスケジュールは9時始業で17時半には終了するとのこと。子供の送り迎えも、自らがこなす生活です。

 これらの例は、効率や成果の追求ではなく、幸せの追求から生まれた時間の活用例だと思います。成果や効率を最優先とするのであれば、絶対に仕事を選択します。しかし、そうではないのです。

 もちろん、どちらも成長著しい会社の社長ですから、時間術3.0の発想の元に、2.0、1.0とこなしているのでしょう。根本的には「時間=命」と考えて、どうすれば豊かな人生を送れるかという問いからスタートしているのが特徴です。

 ただし、仕事に没頭することが幸せではない、ということではありません。

 仕事で成果を出す人ほど、ますます仕事は増えていきます。私の知り合いで活躍している人のほとんどは超多忙です。もっと貢献したい、もっと喜んでほしい。そう願うから、自分の命の時間を投入して仕事をしています。

 忙しいのは、時間術に失敗しているからでしょうか?

 そうではなく、彼らにとっては働くことが最高に豊かなことなのです。

「働く=命」は、どうしてもワーカホリックと捉えられがちです。やらされ仕事で、仕事のことだけ考えている状態がワーカホリックなのであって、自ら望んで仕事を率先している人は仕事中毒ではありません。ハードワーカーではあっても、ワーカホリックではないのです。

 働き方改革では、ともすれば勤務時間を短くすれば良いように捉えられがちです。しかし、働くことによって得る人生の豊かさは、幸せの大きな要因です。そこから見れば、今の仕事に使命感を持って、情熱的に打ち込めているということが大切なのです。

 この次元では、以下のような問いを繰り返すことが求められます。

「自分が本当に心から実行したいと思っていることは何か?」
「どのように生きていきたいのか?」
「どのような仕事に働きがいややりがいを見つけ出せるのか?」
「どのような人たちと一緒に仕事をしたいのか?」
「どのようなリズムで生きていきたいのか?」

 本記事では敢えて「時間術1.0、2.0、3.0」という区別をつけていますが、どれも欠けてはいけません。1.0、2.0の考え方も必要で、最終的には時間術3.0について考えることになる、という意味で3つに分けています。

 人生に何を求めるかは、人それぞれで異なります。「仕事における時間術」を考えるついでに、もう少し広い視点で「人生における時間術」を見通してみてはいかがでしょうか。

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