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なぜ日本企業は先陣を切らないのか。スマートシティ開発3つの課題と最大の壁
2021.06.15

IT&ビジネスコラム第11回

なぜ日本企業は先陣を切らないのか。スマートシティ開発3つの課題と最大の壁

著者 NewsPicks BrandDesign

“荒地”を切り開くには「やっちゃえばいい」

加賀 スマートシティ開発は、いろんな企業がいろんな思惑を持って動いています。でも、自分のところだけ頭一つ飛び出してやろうって企業は、日本ではなかなか出てこないですね。

豊田 いい意味でも悪い意味でも、お互いに遠慮しちゃっているというか。

加賀 そのとおりです。ただ、ずっと様子見をしていても仕方ないので、個人的には、物理領域に強みのあるNTTが先陣を切って、“荒地”を切り開く役割を担うべきだと思っています。

加賀 まずは、データを扱うプラットフォームをつくり、いろんな企業に使ってもらいながら何ができるのかを一緒に検討していきます。田町の弊社ビルに共創環境を開設予定です。

 ただ、いざ動こうとすると、それこそマネタイズはどうするか、権限はどこにあるかといった現実問題が立ちはだかる。

 それでも、一刻も早く動き出さなければ、また日本はGAFAの後塵を拝することになってしまうというのに。

豊田 未知の分野に乗り出すときは、“社内の壁”がまさに最大の壁ですよね。

 僕も重厚長大な建築業界にいて、国や大手企業さんとのプロジェクトなどで、よく「社員からはとても言えないので、豊田さんからデジタル化の重要性を伝えてくれませんか」なんことを頼まれるのですが、進言しても企業として受け入れられることはまずない。

 担当者レベルではみんなYESでも、企業としての判断はいつもNOなんです。

加賀 本当によくわかります。企業になった途端に壁が立ちはだかって、動けないんですよね。

豊田 そこをなんとかしたいんですけど、僕のような外部の人間が関われるのはビジョンづくりまで。

 実装段階でメンバーから外され、社内の既存のパワーゲームによって、プランがどんどん骨抜きにされてしまう……そんな事態を何度も見てきました。

豊田 日本企業は業態やプライドを超えて、当面の採算度外視で連携して新領域を開拓するのが苦手です。

 サンドボックスをつくって知見の交流をしたり、そこで生まれた知財をオープンにしたりするカルチャーになっていかないと、きっと「GAFAと戦おう」という意識さえ組織に生まれません。

 加賀さんはこれから、どうやって社内の壁をクリアしていこうと?

加賀 もう、現場でやっちゃえばいいんじゃないかと思ってるんです。

豊田 おお!

加賀 前例がないことに不安を抱く人がいるのは仕方がないことですし、リスクを取らないとどうしようもないこともある。

 まずは現場で思い切ってチャレンジしてみて、「やってみたらうまくいきました!」と結果を見せて、会社全体を巻き込んでいきたいと思っています。

豊田 まったく新しいものって、従来の価値基準では評価できませんからね。評価なんか求めたら、その瞬間に切り捨てられてしまう。

 「やっちゃえばいい」という発想、僕は非常に大事だと思います。ぜひ大きな声で言っていきましょう(笑)。

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