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【投資即決】待ってました、と千葉功太郎が投資したディープテックの巨大な可能性
2021.06.10

IT&ビジネスコラム第10回

【投資即決】待ってました、と千葉功太郎が投資したディープテックの巨大な可能性

著者 NewsPicks BrandDesign

※本記事は2020年9月30日にNewsPicksに掲載された記事です。

 2020年4月に、風況データ提供事業においてNTTコミュニケーションズと提携した京大発のテクノロジーベンチャーのメトロウェザー。

 超高性能「ドップラーライダー」のテクノロジーのプレゼンを受けた瞬間、

 「そうそう! 待ってました! それが必要なんだよ!!」

 と投資を即決したのが、DRONE FUND代表の千葉功太郎氏だ。

左:古本淳一氏、中央モニタ:千葉功太郎氏。対談収録はリモートで行われた

 しかし、そこにたどり着くまでの技術開発の道は険しく、6年の開発期間は、谷あり谷あり……また谷ありだったと語るのはメトロウェザー取締役・ファウンダーの古本淳一氏だ。

 投資家と起業家の対話から、ドローン産業の可能性と、テクノロジーベンチャーのリアルをお届けする。

 最後には、千葉氏も興奮する未知の可能性の話がこぼれ出た。しかと読まれたい。

 インターネット、スマホ、SNS、Zoom、5G……テクノロジーの進化によって、社会はどんどん繋がっていきます。人と人、人と社会との距離を超えながら、いかによりよい未来を創っていけるのかを探る大型連載「Change Distance.」。コミュニケーションの変革をリードするNTTコミュニケーションズの提供でお届けします。

ドローンは車やインターネットと同じくらい世界を変える可能性がある

──2018年の11月に、メトロウェザーは千葉さんが代表をつとめるDRONE FUNDなどから総額2.2億円の資金調達を実施しました。もともと、お二人はどういったきっかけで出会われたのでしょうか。

古本淳一(以下、古本) 知人からDRONE FUNDというファンドがあると紹介していただいて、千葉さんのところに押しかけたんです。直球で、「投資してくれませんか」と。

千葉功太郎(以下、千葉) そうでしたね。あれはいい押しかけでした(笑)。

DRONE FUND 創業者/代表パートナー、千葉道場ファンド ジェネラルパートナー、慶應義塾大学SFC特別招聘教授。 慶應義塾大学環境情報学部卒業後、リクルートに入社。 2009年コロプラに参画し、取締役副社長に就任。 2012年東証マザーズIPO、2014年東証一部上場後、2016年7月退任。

──それを受けて千葉さんは。

千葉 何の事業をやっているのか聞いたら、なんとドップラーライダーを小型化・超高性能化していると言うから、もう「そうそう! 待ってました! それが必要なんだよ!!」と投資を即決しました。

──ええと……、なぜそれで即決なのでしょう。

千葉 空の産業革命において、必須なインフラだからです。

──「空の産業革命」ですか。

千葉 そうです。順を追って説明しますね。ドップラーライダーなしでは、ドローン前提社会は成立しないんです。ドローン前提社会とは、ドローンがインフラとなっている社会です。ドローンありきでまわっている社会。僕はこういう社会が、近い将来必ず来ると確信しています。

 ドローン産業は、自動車産業、インターネット産業に匹敵するインパクトがあります。これから、空の産業革命が始まるんです。ドローンの国内市場は2024年で3568億円、世界のエアモビリティ市場は2040年までに136兆円まで広がると予測しています。

[出典] ドローン産業:インプレス(2019), エアモビリティ:Morgan Stanley Research(2018)

──ドローンが社会の重要な役割を担うんですか。今はまだそんなふうには考えられません。

千葉 インターネットも最初そうでした。1992年くらいまではインターネットなんかなくても、人々は普通に生活していた。でも今や、インターネットなしの生活は考えられないですよね。

 車もそうです。馬車しかなかった時代の人々は、「自動車」なんて想像もしていなかった。でも、自動車は一大産業になり、人間の生活になくてはならない存在になりました。

 ドローンや小型飛行機であるエアモビリティは、物を運んだり移動できたりする点では自動車に近い。さらに、リモートセンシングや他のハードウェアと通信できる機能などは、インターネットと親和性が高い。物理的に移動するインターネット端末、というイメージですね。

 インターネットが1993年にスタートしたと仮定したら、27年かかって今の世の中まで来た、ということ。スマホが一般的になって、スマホからインターネットにアクセスするようになったのはここ5年くらいでしょうか。新しい技術が社会に浸透するのに、20年以上はかかるんですよね。

 ドローンの業界はまだ始まって数年です。ここからの道のりは長いかもしれません。でも、確実に来る未来だと思っています。

 みなさんには小型のおもちゃのようなイメージがあるかもしれませんが、すでに現在でも、中間物流や離島物流を可能にするトン単位の貨物を1000km単位で運べるような産業用ドローンなどが開発されたりしています。

──そのドローン前提社会と、メトロウェザーのドップラーライダーはどういう関係があるのでしょうか。

京都大学生存圏研究所 元助教授。計測・制御・通信などの知識を活用した新しいレーダー観測技術の開発のほか、社会的課題の解決に直結する研究に力を入れ、近年は最先端計測技術・デバイス開発を駆使した高性能コヒーレント・ドップラー・ライダーを開発。2015年に大学からイノベーションを起こすべく東邦昭とともにメトロウェザーを設立。研究成果の社会実装・社会貢献に向けた取り組みも数多く行う。京都大学博士(情報学)・技術士。

古本 ドップラーライダーは、大気中に赤外線レーザーを発射し、大気中のエアロゾル(塵・微粒子)からの反射光を受信して、風速・風向を観測する大気計測装置です。飛行する物体は、必ず風に影響を受けている。その風を捉えることは、安全なドローン前提社会をつくる上で一番重要なことなんです。

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