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【投資即決】待ってました、と千葉功太郎が投資したディープテックの巨大な可能性
2021.06.10

IT&ビジネスコラム第10回

【投資即決】待ってました、と千葉功太郎が投資したディープテックの巨大な可能性

著者 NewsPicks BrandDesign

空を飛ぶものは、必ず風の影響を受けている

──DRONE FUNDの代表である千葉さんご自身は、ドローンの巨大な可能性を、どの時点で感じたのでしょうか。

千葉 2017年に自分でドローンを飛ばしてみたときです。その流れで、ドローン仲間とDRONE FUNDを立ち上げました。

 また「空を飛ぶ物体は必ず風に影響を受ける」というのを、僕は航空機のパイロットとして身をもって実感しています。今年の6月に航空パイロットライセンス(自家用操縦士)を取得し、毎週1、2回は自分で自家用機を操縦して空を飛んでいるからです。

 訓練中から思っていたのは、「着陸がめちゃくちゃこわい」ということ。空港の航空管制に滑走路の風について聞くと、例えば「東南東、1.5m/s」など教えてくれるんです。その想定で飛んでいくと、実際は風向も風速も全然違っていて、着陸寸前に突風にあおられて墜落の危機、なんてことがしょっちゅうあります。

古本 風というのは、一定の強さと方向で吹くものではないんですよね。もっと複雑で変化が激しい。特に地上付近の風は、場所によって風向と風力がどんどん変化します。高高度の風は遮るものがないのでわりと一定に吹くのですが、建造物や山などがあるとそれに影響を受けて、変則的な動きをするんです。

千葉 風って地上にいると、前後左右しか感じ取れないけれど、飛んでいると左下から右上に斜めに吹く風、なども感じられます。積乱雲の真下で上から下に吹き下ろす風に当たると、いきなり100m下に落とされたりする。もう死ぬほどこわいですよ。

古本 京都大学の研究室にいたときに、地表に近い層の風を計測するのはかなり難しいことがわかりました。ドローンやエアモビリティが飛ぶのは高度150m以下で、この層の風はまだ誰も正確に計測したことがないんです。

 風は三次元のベクトルを持っているんですよね。だから、メトロウェザーでは、3次元空間における風況マップを提供しようとしています。

千葉 フライトのときは「Windy」というアプリを利用しています。これは、世界中の風の方向と速さを、各高度で表示するサービスです。

 数日後の風の様子も予測してくれるし、便利なんですけど、基本はシミュレーションデータなんですよね。スーパーコンピューターに世界中の気象観測データを入れて、計算して出している。だから、ある程度は当たっているけれど、現実の風を表しているわけではない。

 大局観はまだいいですけど、ピンポイントで「この山の付近にどういう風が吹いているか」といったことはわからないんです。急な変化があっても、シミュレーションで対応できなかったら表示されません。パイロットにとって、これから向かう先に強風が吹いているのかどうかは死活問題なのに。

 そこで、ドップラーライダーです。ドップラーライダーがあれば、まさに風を可視化できる。

古本 リアルタイムでデータをとって、刻一刻と変化する各地点の風を3Dで表示できますからね。

千葉 ドローンは基本的に位置補正機能がついていて、ある程度風が強くても自動的に位置を元に戻すことができます。でも、突風などにはなかなか対応できません。

 ドローンが当たり前になったら、ドローンが商品を宅配したり、街なかを警備したりするようになります。ビルの間って、風が複雑な動きをしているんですよね。突風や強風が起こりやすい。そういうルートを通ってしまうと、ドローンが墜落したりビルに激突したりします。

小型ドップラーライダーを張り巡らし、都市の風の流れを可視化するイメージ

古本 しかも、風は刻一刻と変化するので、今安全なルートと、1分後に安全なルートが違う、ということが起こりえます。

 ドップラーライダーがリアルタイムで風の状況をスキャニングして、その情報を自動飛行のドローンに送れば、その情報を頼りにより安全なルートを選べるようになります。

千葉 というわけで、ドローン前提社会には絶対ドップラーライダーが必要なんです。

 おそらく、これからドローンの普及が進むにつれて、世界の誰かがドップラーライダーの量産に手をつけるはず。日本では今、メトロウェザーしか実現できるチームはいません。だから、僕らは絶対メトロウェザーに投資しなくちゃいけない、と思いました。

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