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経済効率化を目指さない生き方へ。スマートシティに宿る「人間の可能性」【The UPDATE特別版ダイジェスト】
2021.06.03

IT&ビジネスコラム第8回

経済効率化を目指さない生き方へ。スマートシティに宿る「人間の可能性」【The UPDATE特別版ダイジェスト】

人間があるべき姿に戻る「スマートランド」へ

古坂 次に「スマートシティで理想の世界をつくるのに、何が必要か」も考えてみたいと思います。

古坂 隈さんの回答は、なんと「住宅の解体」! 建築の次は解体業ですか!?

隈 さっき「建築の単位を見直さなくちゃダメ」と言いましたが、その単位の中で一番拘束力の強いものが、個人住宅なんです。住宅を所有するというスタイルが定住を生み、我々を縛っている。

 だから、そこをまず解体しちゃえ、と。街も同じで、商業地域や住居地域というようにガチガチに区切られています。そこを崩していくことが必要ですね。

栗山 私はスマートシティに「不思議がたくさんあること」が大事だと思いますね。テクノロジーの進歩でできることは増えたけれど、やればやるほど“できないこと”がわかってきます。

 不思議を感じることで、その限界を乗り越えよう、試してみようと挑戦し続けるのが素晴らしいし、大切だと思っています。

葉村 人間ってまさにその掛け合わせですよね。理不尽や不合理もあるのが人間で、それは都市にも当てはめられる。

 その意味で、都市とは「人間拡張の最大形態」のようなものなんじゃないか、と考えています。

 

葉村 スマートシティって、利便性の追求が着目されてしまうけれども、当然そればかりでは良くないことも出てきます。

 もし都市をすべてコンクリートで覆えば、土壌がダメになり、洪水も起こりやすくなる。都市が、そして人間自身が死んでしまう。

 だから、人間がより生きやすく、かつ地球と共存できるような都市が理想だと思います。だって、特定の空間に自分を閉じ込めて、住まわせるって不自然じゃないですか。

 人間のあるべき姿に戻り、自然と共生するために、どうテクノロジーを使えばいいかという観点で、スマートシティを設計していけるといいですよね。

古坂 なるほど。単純に郊外に住むっていうんじゃなく、うまいことちりばめて、つながれるようになるのがスマートシティなんですね。

 だからもう、「スマートランド」くらいになるのがいいんですかね。

林 テクノロジーって手段ですからね。「僕たちが幸せになるためのスマートシティとか都市の形を考えよう」って方向に持ってかなきゃいけないと思うんです。

 成長しなくちゃ、レースに勝たなくちゃというフレームワークから解放されて、それぞれが楽しいことを追求できるようにしていきたいですよね。

 家族や家という枠を取っ払って好きなように移動し、好きな人と好きな場所で、その瞬間やれることをやる。

 そういうスマートシティというか、スマートランドっていうのを実現するポテンシャルが日本には秘められていると思うんです。これだけ固有で多様な国ですから。

佐々木 もう「スマートシティ」という名称自体がしっくりこない感じもしますね。なんかワクワクしない。

栗山 「スマートランド」って呼び方のほうが、アミューズメントパークみたいでいいですね。

 たとえどんな環境だとしても、個人はそれぞれの思い描く幸せを実現するために生きていくと思うんです。
じゃあ、都市の公共機能は何のためにあるかと言うと、個の力ではどうしようもない課題を、空間や産業を横断して解決するところにあるわけです。

 個人の能力の総和を超えて、集団としての価値を生み出す「群衆知能」を高める。それを実現するのが、スマートシティの役割でもありますね。

 

古坂大魔王が選んだ「キング・オブ・コメント」

「スマートシティとは、人間の幸せを実現するための手段」という議論で、今回の『The UPDATE』はおおいに盛り上がった。

 最後に、番組MCの古坂大魔王が選んだ「King of Comment」は、隈研吾さんのこちらの一言。

「住宅は解体したほうがいい! つまり、見えないボリュームがこの世にたくさんあるから」

 この言葉に込められた意味とは? 詳しくは、ぜひ番組動画をご覧ください。

※この記事はNews Picksから配信されています。

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