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【大盛況】新規事業に挑むカルチャーをどう育むか
2021.05.13

IT&ビジネスコラム第5回

【大盛況】新規事業に挑むカルチャーをどう育むか

著者 NewsPicks BrandDesign

アイデアを次の柱となる事業に育てるためには

──社内起業家育成プログラムである「BI Challenge」についても教えてください。DigiComから生まれたアイデアをビジネスとして育てる育成プログラムという理解でよろしいでしょうか?

テ 社員のアイデアを形にして、将来的にはNTTコミュニケーションズの柱となる事業を創出するための支援プログラムです。僕らがよく言っているのは「社内起業家育成プログラム」ですね。

ミャンマー出身。ミャンマー語、中国語、日本語、英語の4ヶ国語に精通。2014年にNTT コミュニケーションズ入社、2018年より社内新規事業創出プログラム「BI Challenge」初期立ち上げメンバーとして現職にジョイン。社内ビジネスコンテスト「DigiCom」及び新規事業創出支援プログラム「BI Challenge」事務局、 事業創出イントレプレナーとして両利きの仕事を経験。

──具体的にどのようなことを行うのでしょうか?

テ 事業化まで5つのステップがあります。

 DigiComは社内のビジネスコンテストですが、BI Challengeはコンテストではなくて通年で募集しています。ここが大きな違いですね。DigiComはステージ1「ファウンダーマインド醸成」とステージ2「ユーザーの課題検証」にあたります。

角 BI Challengeは誰でもエントリーできるインキュベーションプログラムですが、そのための導線の一つがDigiComなんです。

──どのような新規事業が生まれたのでしょうか?

テ では、一番新しいところでSpace Techからご紹介します。

「宇宙をより近いものに」をミッションに、宇宙インフラを整備し、誰もが宇宙へアクセスできるようにする事業(事業詳細は現時点、未公開)

 SpaceTechのチームはメンバー全員が新卒2年目の社員なんです。入社2年目なのに2020年度のDigiComで優勝したんですね。しかもジャンルは宇宙。正直、僕も驚きました。発案者でキャプテンの井上(大夢)は営業の人間です。

角 僕のほうからも大企業やスタートアップを紹介していますが、紹介先のみんなが共感していて、社外の方々とアライアンスを組むのがものすごくスムーズに進んでいます。やっぱり井上さんたちの宇宙ビジネスへの情熱と理解がすごいのでしょうね。その一方で、テさんをはじめとする社内のみなさんがうまくサポートをしていると感じます。

テ 今、僕が手伝っているdropinはちょっと特殊で、イノベーションセンター、つまり僕らの部署で作ったアイデアなんです。基本的にイノベーションセンターの人間が開発やデザインなどを行っています。

多種多様なカフェやコワーキングスペースと連携し、ユーザーが今すぐドロップインできるワークスペースを即時検索・予約できるサービス

 我々は事務局をやりながら新規事業を開発する“両利き”です。プロジェクトチームの伴走支援やdropinを進めながらBI Challengeの制度を見直したことが何度もあります。

 事務局が自ら新規事業をやりつつ先頭を走って、実態に合わせて制度に反映させているのです。

本当のイントラプレナーシップを育てるには?

──DigiComというコンテストに出場するマインドと実際に事業を立ち上げるマインドは、厳しさが違うと思うのですが、これについてはどのようにお考えでしょうか?

テ どうやってイントレプレナー(社内起業家)を育てるかについては、いろいろな方法がありますが、その中の一つの施策が、BI Academyという社内セミナーです。

 社外の新規事業に関する有識者やイノベーターを呼んで、社内で講演してもらいます。外から起業家の声を経由して火をつけさせる。あなたも会社を変えられるんだ、世界を変えられるんだというマインドセットをするためのセミナーですね。

角 今年からDigiComの参加はビジネス化が前提であるということを広くアピールしています。まず本当に事業化するためにエネルギーを注ぐマインドがあるのかどうかが最初の大きなハードルになります。

 なので、今年は参加者が減ると思っていましたが、思いのほか減らなかったんです。オンラインでの学習プログラムにも大勢の方が参加してくれました。DigiComに携わっていく中で、ポジティブな驚きがたくさんありました。

 会社全体がイナーシャを振り切ろうとしている。慣性の法則を振り切って飛ぼうとしているんだな、と僕は思いました。

──最後にあらためて、DigiComならびにBI ChallengeはNTTコミュニケーションズにどのような価値をもたらしているとお考えでしょうか?

斉藤 DigiCom自体が会社内部への刺激になっていると感じます。DigiComの出場者の中には、BI Challengeで新規事業のほうに行く方もいますが、コンテストが終わった後は自分の組織に戻っていく方のほうが多い。そのとき、DigiComでの経験が何かしら作用していると思っています。

 たとえば、新しいチャレンジを部署の中でするときにDigiComで学んだことを生かすとか、新しい気づきに取り組んでいくとか、他の出場者のアイデアに刺激を受けたりとか、DigiComを通して会社としての一体感を覚えたりとか。

 DigiComに参加した人がアップデートされて、その人がまた組織をアップデートしていく。そういう循環がうまく回るようになったのではないかと思っています。

テ 僕たちはDigiCom事務局、BI Challenge事務局という名前ですが、別に制度を作るためにここにアサインされたわけではなく、ここにいるメンバーはみんな自分で手を挙げて自分で新規事業を作ろうとしている人たちです。

 これからのNTTは「NTTらしくないこと」をやったほうがいいと僕は思っています。NTTらしくないことをやることを賞賛してほしい。「NTTらしくないこと」というのは、もっと言えば「失敗を恐れないこと」、そして「ビジネスのプロセス、やり方をこれまでの常識、成功体験、固定観念にとらわれず、時代に合わせて自らチェンジするのを恐れないこと」です。

角 DigiComとBI Challengeは会社をまとめて組織を強くする役割があると思います。大きな組織ほど、どんどん自分たちの仕事の範囲を決めてしまって、他の人の領域を侵すことはなくなります。でも、そういう人たちが一気に集まって、一つの価値観を共有する場所、制度があることによって、会社に横串が通っていく。

 そしてもう一つは、事業を作るという営みを通じて人を作る仕組みになっています。

 新しい事業は誰が何をやるか決まっていません。想定外のことが起きますし、誰の守備範囲でもないところにボールが落ちることもよくあります。そのときにみんなが率先してボールを拾いにいく。これはあらゆる事業活動の中で必ず生きてきます。

 そして、挑戦です。テさんがおっしゃったように、失敗を恐れずに挑戦する。予想外の出来事に対応して、困難を乗り越えて事業を作っていく。VUCAという言葉が象徴するように、コロナのような予期できないことがどんどん起きていく時代の中で、挑戦を肯定できる社内風土こそが変化に対応するための一番の資源になっていきます。

 新しい事業を作ることができる人が、変化に対応することができる人です。そういう人を作っていく営みこそがDigiComでありBI Challengeなんだと思います。

(構成:大山くまお デザイン:田中貴美恵 編集:中島洋一)

※本記事はNewsPicksに掲載された記事です。

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