NTTコミュニケーションズ

Bizコンパス

【重要】「Bizコンパス」サイトリニューアルのお知らせ
【社長直撃】NTTグループ融合はゲームチェンジの狼煙か? 新時代に向けた経営シフトとは
2021.05.11

IT&ビジネスコラム第4回

【社長直撃】NTTグループ融合はゲームチェンジの狼煙か? 新時代に向けた経営シフトとは

著者 NewsPicks BrandDesign

新事業ビジョン「Re-connect X」とは

──現在、NTTコミュニケーションズは、従来の通信事業からDXなどの新しい事業領域にシフトしている最中ですが、その戦略を伺えますか。

丸岡 私は昨年6月に社長に就任し、10月に中期的な新事業ビジョンとして、「Re-connect X」を策定しました。

 もともと私たちは通信で「つなぐ」ことを仕事にしています。ニューノーマル時代において急速に変容する社会をこれからも支え続けていくために、新たに求められる価値を再定義し、個人、地域、産業、社会などをお客様やパートナーとの共創によって、安心安全かつ柔軟に「つなぎ直す」。

 「Re-connect X」は、そのような意図を込めて作ったビジョンです。

──つなぎ直した先はどのような方向性なのでしょうか。

丸岡 そうですね。新型コロナウイルスの影響で進展するリモートワールドにおいては、お客様が求める価値もどんどん変わっています。

 目指すべき方向で言えば、環境問題なども含めて、「持続可能」な社会を作っていきたいというお客様の要望に対して、私たちがどう貢献できるのか。今やお客様も短期の効率化や合理化だけを求めているのではなく、SDGsやESGなどへの中長期的な取り組みも一緒に求めています。

──そもそもNTTコミュニケーションズは社会インフラを構築・運用するという公共性を使命として持っています。その強みを活かす形でしょうか。

丸岡 そうです。持続可能性ということを考えるとき、「レジリエンス」という言葉が出てきます。「変化に対するしなやかさ」や「回復力」という意味ですが、インフラを構築する際にも必要な考え方なのです。

 自然災害で被害を受けたとき、インフラ設備をいかに早く回復させるか。これがレジリエンスです。我々は常に地震などの災害において、物理インフラをいかに断絶させないか、断絶してもいかに早く復旧させるかというミッションに長年向き合ってきました。

 企業活動も同じで、いかに操業を早く回復させることができるのか、そのためにビジネスプロセスやサプライチェーンをどうしておかなければいけないかを考えることが経営にとって非常に重要になります。仮にサプライチェーンが分断されたとしても、ICTの力でより早くリカバリーできるようにすることも可能です。

──持続可能な社会の実現という意味で、具体的な事例はありますか。

丸岡 ひとつは教育です。私どものクラウド型教育プラットフォーム「まなびポケット」は従来、デジタル教材のプラットフォームとして活用されてきました。

 コロナ禍での全国一斉休校措置の際には、生徒同士の学び合いや生徒の心のケア、教員間のノウハウやコンテンツの共有、学校運営のサポートなどの新しい価値を担うようになりました。

 文部科学省の「GIGAスクール構想」が前倒しで実施されていますが、PCなどの教育ICT環境整備を進めながら、「まなびポケット」の提供を通じて、真の意味での教育現場のICT利活用に貢献しています。

 持続可能な社会への貢献という観点で、フードロスをどう削減できるか。三井物産流通ホールディングス様との事例では、商品や物の流れといった物流データをブロックチェーンで管理し、サプライチェーンの最適化を行っています。これらの取り組みがフードロスだけでなく、衣類などの廃棄ロスなどの削減にもつながっています。

 また、コロナ禍で、企業間取引のペーパーレス化も急務となりましたが、私どもではクラウド型請求書電子化サービス「BConnectionデジタルトレード」を提供するなど、企業間取引のDXにも取り組んでいます。

 自然災害からの復旧、教育の持続性(学びを止めない活動)など、私どもがICTの力を活用して、価値をつなぎ直すことで世の中のレジリエンスに貢献していく。またフードロスの解消などの社会的課題に向き合っているお客様と一緒に持続可能な社会を実現していく。それが「Re-connect X」です。

──「Re-connect X」を実現にするにあたり、どういった点を注力されているのでしょうか。

丸岡 3本柱を立てています。一つ目の柱が「Smart World」、二つ目が「Smart Data Platform(SDPF)」、三つ目が「ICTインフラのトランスフォーメーション」です。

 「Smart World」は、社会と未来をつなぐビジョンです。現在は「Smart Factory」「Smart Education」「Smart City」など7つの領域で取り組んでいます。「Smart Education」は先ほどお話しした「まなびポケット」を中心にGIGAスクール構想に対応していきます。

 また、「Smart City」については、三井不動産様と共創し名古屋市の久屋大通公園に、街頭カメラでAI映像解析ソリューションを行うことができる「COTOHA Takumi Eyes」を導入しました。

 街頭カメラは、これまでは主に防犯の目的で利用されていましたが、防犯だけでなく、迷子検知、転倒検知などで安心安全な公園を実現するとともに、ドコモグループの位置情報サービスを活用することで、来園者の散策情報や混雑状況などを分析して、マーケティングに活用したり、また来園者の利便性向上にもつなげていきたいと考えています。

 「SDPF」はデータと価値をつなぐための、データの収集、蓄積、管理、分析など、データ利活用に関するさまざまなことができるプラットフォームです。例えば、先ほどの企業間取引の電子化サービスの他に、AIや機械学習による業務自動化を行うデジタルワーカーの提供も目指しています。

 「ICTインフラのトランスフォーメーション」は、データとネットワークを安心・安全・柔軟につなぐということです。特にセキュリティの強化がそのひとつです。

 コロナ禍において、多くの企業がリモートワークを余儀なくされました。しかし、急にネットワークの構成を変えることは困難で、インターネットを経由して閉域網(VPN)に接続するというケースが急増しました。

 そこでインターネット経由では、社内ネットワーク全体のパフォーマンスが低下したり、リモートワークに使用している端末がマルウェアに感染するなどのセキュリティ上のリスクも顕在化しました。このような課題を解決するため、Software-Definedネットワークとセキュリティの技術を統合したサービスを開発中です。

 ネットワークが備えるべきセキュリティの視点が変わり、ICTインフラ自体もトランスフォームしなければならないということです。

 このように、これまで行ってきたインフラ事業だけではなく、お客様のDXのニーズをとらえながら応えていく。それが現在行っているNTTコミュニケーションズの経営シフトということになります。

関連キーワード

SHARE

関連記事

コロナ禍で「DX」は共創の時代へ、Bizコンパスの1年から考える

2021.09.22

デジタルトランスフォーメーションの実現へ向けて最終回

コロナ禍で「DX」は共創の時代へ、Bizコンパスの1年から考える

テーマは「社会・産業DX」、NTT Com「CDF2021」が描くDXのリアルとは

2021.09.15

デジタルトランスフォーメーションの実現へ向けて第69回

テーマは「社会・産業DX」、NTT Com「CDF2021」が描くDXのリアルとは

【激白】NTT Comの“危機感”とDX事業の勝ち筋

2021.04.15

IT&ビジネスコラム第1回

【激白】NTT Comの“危機感”とDX事業の勝ち筋

岸博幸氏が語る「スマートシティは“課題先進国”日本を変革する処方箋になる」

2021.04.07

ニューノーマル時代にビジネスはどう変わるのか第25回

岸博幸氏が語る「スマートシティは“課題先進国”日本を変革する処方箋になる」

これからのスマートシティが備えるべき3つの要素とは?

2021.04.06

Well-Beingを最大化するスマートシティとは第3回

これからのスマートシティが備えるべき3つの要素とは?

「DX・脱炭素」でSDGsに貢献するビジネスがある!エバンジェリストが解説

2021.03.17

デジタルトランスフォーメーションの実現へ向けて第61回

「DX・脱炭素」でSDGsに貢献するビジネスがある!エバンジェリストが解説

巻き返しなるか?日本発のスマートシティ

2021.03.10

Well-Beingを最大化するスマートシティとは第2回

巻き返しなるか?日本発のスマートシティ