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【激白】NTT Comの“危機感”とDX事業の勝ち筋
2021.04.15

IT&ビジネスコラム第1回

【激白】NTT Comの“危機感”とDX事業の勝ち筋

著者 NewsPicks BrandDesign

Smart World推進室は「ベンチャー企業」のごとく

──「Smart World」について教えてください。

奥澤 2018年に立ち上げたNTTグループの中期経営戦略のビジョンです。詳細は、Smart World推進室を一から作り上げた、川辺に譲ります。

川辺 まずSmart Worldは、狭い範囲で言えば、「データ利活用がもたらす、進化したより良い世界≒Smart World」ということになります。

 この連載を通じて輪郭を探っているように、日本経済や企業社会、地域社会がどのように変革していくべきか、それをお客様やパートナー企業とともに創り上げるための、シンボルのようなビジョンです。

2001年、NTTコミュニケーションズ入社。海外のICTインフラ構築案件に従事したのち、2006年~2011年は中国 上海の現地法人に赴任。その後、経営企画部にて全社の営業戦略策定やSmart World推進室の立ち上げを実施。NTT ComのSmart Worldの誕生から成長を支えるSmart Worldのパイオニア。

 昨年10月に7つの重点領域を対象としてスタートしました。対象領域のDX化を進めつつ、いろいろなパートナーと共にICTを駆使してデータを蓄積し、それらを利活用して社会が直面している問題を解決するための取り組みです。

──実際に、組織再編をして何が可能になったのでしょうか。

川辺 今までは、データ利活用のための共通プラットフォームを構築する際に、「誰が最初の1円を払うんだ?」といった投資判断で悩むことがよくありました。

 そのとき、「Smart World」という枠組みで我々が先行投資したり、プラットフォームを作ったりして、必要に応じてリスクテイクできるようになりました。

──組織の制度設計はどのようにしたのでしょうか。

川辺 そうですね。リスクを取って結果を出せるようにするために、まず一つはお金と権限をしっかり7つの推進室に与えることを意識しました。簡単に言うと、一つのベンチャー企業のような組織を作れたらと。

 自分が営業組織に居た頃は、なにか新しい取り組みを始めようにも、営業だけでは何もできないし、エンジニアを口説かなければいけなかった。さらに最初の予算を確保するにも、いくつもの部署の承認が必要で、とにかくスピード感をもって進められず、悔しい思いをしました。

「Smart World」の各推進室にはきちんと予算と権限を設けて、チャンスをすぐに形にして世の中に出していける自律的な組織にしたいと考えていました。

──機動力のあるベンチャー企業のようになっていると。

川辺 正直に言えば、まだ道半ばなところもあり日々悩みながらやっているのですが(笑)、実績もできてきました。

 今は過渡期なので、さらに整備を進めるところもありますが、基本的に各推進室に、会社を運営するために必要な機能をおおよそ設けています。営業サポートから製造、販売、運用のところまで一気通貫でできる戦略的な組織です。

 ですから、それぞれの推進室にはいろいろな職種の人が集まっています。このような人員構成になっているのは、全社の中でもSmart World推進室だけでしょう。

よりよい世界のために社会課題の解決を

──「Smart World」には7つの領域がありますが、それぞれは個別に独立したものなのでしょうか。

川辺 いえ、各領域をつなげていくことも考えています。

 たとえば、サプライチェーンの概念を考えると、製造業で作られた商品は物流で運ばれて、小売りの店頭で売られます。業界をまたいでビジネスが成立しているわけです。我々がいつまでも一つの領域の円の中で閉じていたら「Smart World」は実現できません。

 まだまだ社会課題はたくさんあります。最近では、7つの領域の中にそれぞれあるテーマを掛け算していくとまったく価値創造の方法が変わってくるんじゃないかという議論をしています。

 たとえば、「スマートシティ」という街には当然、医療も教育シーンもありますが、そこに「スマートヘルスケア」と「スマートエデュケーション」が取り組んできたものを掛け算していくとさらに良い価値が提供できるはず。そういう各領域のスマートなものが有機的に繋がった世界を創っていきたい、という感じですね。

 各領域で進めている円を数珠のようにつなげていくことで、最終的にはサプライチェーン全体など、産業のDX、地域のDX、社会のDXに貢献していきたいと思っています。

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