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【激白】NTT Comの“危機感”とDX事業の勝ち筋
2021.04.15

IT&ビジネスコラム第1回

【激白】NTT Comの“危機感”とDX事業の勝ち筋

著者 NewsPicks BrandDesign

※本記事は2020年10月9日にNewsPicksに掲載された記事です。

 DXはどこへ向かうのか。問題は、D(デジタル)なのか、X(トランスフォーメーション)なのか。ビジネスがトランスフォームするとすれば、どのように変わるべきなのか。危機感、リードプレイヤー、ソーシャルグッド、スマートシティ、コモングラウンド……本連載「Change Distance」の中で、さまざまな切り口でDXをひもといてきた。

 連載の終盤として、NTTコミュニケーションズの戦略の中核となる、「Smart World」構想について、組織づくりから推進してきたリーダー2人に話を聞く。冷静な分析に始まり、DXの勝ち筋と構想の輪郭を話しながら、次第に2人の言葉は熱を帯びていった。本記事は、通信事業をルーツとしICT産業で日本をリードしてきたNTTコミュニケーションズが、距離を超え、自らをトランスフォームしようとする話である。

 インターネット、スマホ、SNS、Zoom、5G……テクノロジーの進化によって、社会はどんどん繋がっていきます。人と人、人と社会との距離を超えながら、いかによりよい未来を創っていけるのかを探る大型連載「Change Distance.」。

 コミュニケーションの変革をリードするNTTコミュニケーションズの提供でお届けします。

手段と目的が逆転しがちなDXプロジェクト

────本連載ではさまざまな角度でDXの課題をひもといてきましたが、現在DXを推進している現場から見てどんな実感がありますか?

奥澤 そうですね。今から4~5年前にIoTやAIを活用して仕事のやり方を変えていきましょう、といった仕事の依頼を多くご相談いただくようになってきました。

1995年、日本電信電話(NTT)入社。法人企業向けの映像配信サービスやクラウド・IoT/AI等を活用したDXコンサルティング業務に従事。2020年4月よりSmart Worldの各推進室を統括、Smart World事業の推進を行っている。「現地現物」をモットーに、現場第一でお客様と接し、お客様の価値最大化を大切にしている。

 そのときのお客様の声を聞くと、上層部から「AI・IoTを使って仕事を変える」と言われてプロジェクトが立ち上がるわけですが、目的が曖昧だったり、何を最終的にリターンにすればいいか決めないまま、走り始めてしまったように思います。

 お客様と一緒に試行錯誤でPoCを進めましたが、我々の力不足で、お客様に十分な成果を感じていただけず、結果的に導入には至らない。世にいう「PoC貧乏」になってしまうことが多かったんです。

──「PoC貧乏」ですか?

奥澤 PoCとは「Proof of Concept(概念実証)」の略で、実証したい新しいビジネスがあり、その内容をテクノロジーなどの手段を使って検証することになります。

 実感では90%以上がPoCで終わってしまい、そこから先のお客様の業務変革や新しいビジネス創造に結びつきませんでした。先行投資としては、我々の業界だと数百万円から数千万円の予算がかかることが多い。それが先々の成果に結びつかないまま終わってしまったのです。

──なるほど。

奥澤 お客様もゴール設定には悩まれていたと思います。それに対して、我々もテクノロジー、ソリューションでお答えできるように動いていたのですが、結果として十分に有効打を提供できなかったと反省しました。つまり、IoTやAIといったテクノロジーありきで、手段と目的が逆転してしまっていたのではないかと。
我々も物事の捉え方、課題対応のアプローチがそもそも間違っていたのではないか? このままではお客様や社会にも貢献できないと、恥ずかしながらようやく気付きました。

 この連載を踏まえて一言でいうと、「危機感」が足りなかった。我々もデジタルに淡い幻想を抱いてしまっていたのかもしれません。

 一方で、ここ数年で経験を積んだことで、成功事例や勝ち筋が少しずつ見えてきています。
仮にお客様の課題感がクリアになっていなかったとしても、ご一緒させていただき我々から仮説を出すことでお互いに「あっ、そこが解決策だ」と合致することがあります。いろいろなトライアルを重ねていくうちに気づいたのは、そこです。

──具体的にはどういうことでしょうか。

奥澤 まず、DXの捉え方なんですがデジタルを使えば何でも良くなるというのは幻想ですよね(笑)。

 AIやIoTなどの最新技術は手段であり、再三になりますが、お客様の経営・事業のどこに寄与することなのかをしっかりお客様と議論し、ゴール設定することが大事だと思っています。昨今だと使う側からみたUXもキーワードです。

 この三つの輪がしっかり重なり合う部分じゃないと、何事も前に進まないことに気づきました。

 最新技術があってもコストが合わないとか、ビジネスになりそうでも利用者の使い勝手が悪いでは、うまくいかないんです。

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