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日本のテレワークは「100歩進んだ」–ブイキューブ間下社長が占う2021年の働き方とは
2021.01.18

IT&ビジネス最新ニュース第98回

日本のテレワークは「100歩進んだ」–ブイキューブ間下社長が占う2021年の働き方とは

社外や日常のコミュニケーションにウェブ会議を受け入れられたのが大きい

――多くの方が、緊急事態宣言を機にテレワークを経験することになりました。

 そうですね。これで特に大きかったのは、在宅で勤務することよりも、コミュニケーションについてリアルとオンラインを組み合わせる世界というのを、みなさんが一斉に体験したことです。ウェブ会議システムを使った社内でのコミュニケーションは、その会社がやる気になればできることです。でも生産性を上げるには限界があります。社外とコミュニケーションできるようになることが、一気に広がるためのドライバーだったんです。

 私たちも長くテレワークやウェブ会議システムを活用していて、社内オペレーションは問題なくできています。でも、社外ではリアルでの対面が結局求められています。ウェブ会議を検討してもらっても、「ちょっと来てほしい」と言われるんですね。これでは全く変わらないと感じていました。

 でも今は企業だけではなく、政治家や行政でもオンラインで会議するようになって。私自身も、これまではシンガポールやアメリカに滞在していても、会うためにその場へと行かなければいけないという状況があって、年間で50万キロぐらい移動していました。でも今は細かく移動しなくても、1カ月ぐらい滞在できるようになったので、効率は大きく上がりました。

 こういう状況を受け入れられるようになったことが大きいと感じています。あくまで一個人の体感的な数字ですが、緊急事態宣言によって7割ぐらいは浸透して、確かに戻りつつありますけど、戻って3割というぐらい進歩しています。一度経験しているので、日常的なコミュニケーションにウェブ会議システムが加わったことが大きいですね。

――テレワークは本来、場所を選ばない働き方ができることをメリットだと考えていますが、緊急事態宣言のときには、事実上在宅勤務だけの働き方となりました。これにメリットを感じた方もいれば、かえって働きにくいと感じた方も少なくないと思っています。

 緊急事態宣言の影響もあってか「テレワーク=在宅勤務」というイメージがついてしまったところはあります。でもそれは誤解と言いますか、テレワークというのはそんな狭い話ではなくて、在宅勤務はあくまでテレワークで働く形のひとつにすぎません。

 今回は在宅勤務でやらざるを得ない状況になりましたけど、全員がいきなり在宅勤務で仕事を進めていくということは無理があります。ブイキューブ社内でも、完全に在宅勤務になっている人は数人程度で、本来は使い分けるべきなものです。

 でも、在宅勤務でできることとできないことが、経験をしてわかってきたと思います。先入観で在宅勤務なんて絶対できないと思われたことがあっても、意外とできることがあるとわかったところもありますから。経験してみないとわからないものなのです。

 そしてテレワークの有効性を体現し、これまでの働き方に疑問をもった人もいるでしょう。逆にそういった人たちからすると、特に能力のある方だったら、必ず出社しなければいけないという会社に、残る必要もなくなっていくわけです。

――テレワークを含めて、多様な働き方ができるかどうかによって、採用に影響を与えるということも、聞かれるようになってきました。

 もともと2019年の段階から、働き方改革の名の下で採用マーケットも変わってきました。新卒社員からの質問に「御社の働き方はどのようになっているのですか」という、昔ではありえない質問があったんです。就職氷河期で買い手市場だったころには考えられなかったことですね。企業でも働き方を選べる環境を整えないと、人材が獲得できない時代になり始めています。今回の状況で、多様な働き方ができる会社は増えたと思いますので、そこで差が出てくると思います。

 ひとつ心配なのは、そこで格差が生まれること。対応できる会社とそうじゃない会社が生まれてきています。特に地方を中心についてこれていない部分もあります。そこで頑張って変化している会社もありますけど、差が開き始めています。底上げのための仕組み作りや文化の醸成、制度作りなど、全体をよくしなければいけないと感じています。

――緊急事態宣言以降、頻度に差はありつつもテレワークを継続している企業もあれば、オフィスに人を戻しているところもあると思います。これはどのように見ていますか。

 確かにそれはありますし、オフィスに従業員を戻したという報道も多々見受けられます。でも、オフィスに戻していても、オンラインで会議や打ち合わせをしていますね。ですので、「在宅勤務はうまくいかない」ということとセットでうたわれているのは、少しミスリードな気がします。いきなり全員が在宅勤務でフルに活動するというのは夢物語でしかないです。

 オフィスに出社する人がいても、顧客との会議や打ち合わせがオンライン化していて、コミュニケーションは大きく変化しているんです。オフィスに戻ることについて、古い方式のように取り上げられているのですけど、そのように見えているにしても、オンラインでコミュニケーションしているわけです。このような報道を見て、中小企業の方々が「何も変える必要はない」と感じてしまうことに危機感があります。

 

※この記事はCNET Japanから配信されています。

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