今は「世界のリセットボタンが押された状態」
澤氏は1993年に社会人となり、1995年8月(日本は11月)に米国で発売されたWindows 95とインターネットの普及を取り上げながら、「世界が変わった瞬間に立ち会うことができた。今はそのときに至極類似している」と語る。Windows 95 OSR2はインターネットサービスプロバイダーへの接続に必要だったTCP/IPをサポートしており、インターネットの普及に拍車をかけた。
新型コロナウイルスの大流行とインターネットの普及を「世界同時」というキーワードで結びつけながら、「1995年を境に全世界でインターネットが使えるようになった。新型コロナウイルスの登場も世界中の人々が影響に同時に受けている。その結果は大きく異なるが、世界経済やビジネスのあり方を変えたという意味では同じだ」と解説する。
これらの持論を踏まえて澤氏は「世界がリセットされた。世界のリセットボタンが押されている状態」と説明した。続けて「リセット後の答えを誰も持っていない」と指摘しつつ、コロナ禍では多様な働き方が選択できる状態にあることに気付いたのでは、と視聴者に自覚をうながした。
「会議室で会議する、資料を作って客先でプレゼンテーションするのではなく、自宅や近所のカフェ、場合によっては車内でITツールを活用して営業活用や社内会議に参加する。多様な働き方を強制的に体験することで、選択肢の存在に気付いたはず。(我々は)マインドセットのアップデートが必要だ」と、働き方に対する価値観を更新すべきだと述べた。
とはいえ、価値観の更新は決して容易ではない。人は経験や知見から価値観を構築していく生き物だからだ。同氏は価値観の更新に戸惑う人々向けに、ビル・ゲイツ氏も高く評価するキャロル・S・ドゥエック著の「マインドセット: 『やればできる!』の研究」を一読することを奨励した。
※この記事はCNET Japanから配信されています。