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視聴者に「離脱されない」オンラインセミナーの作り方は?–スライド準備や話し方にも注意
2020.09.17

IT&ビジネス最新ニュース第57回

視聴者に「離脱されない」オンラインセミナーの作り方は?–スライド準備や話し方にも注意

登壇者はリアルよりも「気を張っている」必要がある

——プレースメントという話がありましたが、たとえばスライド資料を画面で見せる時など、絵作りという点ではどのようなことに気をつけていますか。

 僕の場合は、スライドのテンプレートを事前にお渡しして、そこに中身を埋めてもらうことが多いですね。画面を表示した時の縦横比の問題もあるし、統一したロゴやフレームを使って全体がコーディネートされている感を出したいという理由もあります。それに、文字や図表のサイズにも配慮する必要があります。既存のプレゼンに使っていたような配布用の資料そのままだと、スマートフォンなど小さい画面で視聴している時に見えないことが多いんです。

 そのあたりをケアするためにも、テンプレート側ではフォントサイズを「12ポイント以上」にしています。フォントサイズの変更だけでは対処しにくい調査データをもとに議論するような場合は、画面を拡大してもらう前提で考えておくことも必要です。スマートフォンで移動中にも参加してもらえるようにしたい時は極力音声で説明するようにして、スライドを使わないこともありますね。視聴者の環境を想定しておくことは大事なことだと考えています。

——アニメーションや動画を入れた「凝ったスライド」もありますが、こうした見せ方についてはいかがですか。

 「OBS」などの配信ツールうまく使えば、画面の一部にテロップやワイプ、資料を出すなどいろいろ凝った見せ方できますし、何かしら工夫した方がいいと思うのですが、やりすぎると小さい画面で見ている人にはストレスです。アニメーションやテロップを過度に入れたり、動画を流したりすると配信帯域を圧迫しますし、だからといってZoomそのままの画面で登壇者の顔だけを並べた形でセミナーをやってしまうと、「これはリハーサルなのかな?」みたいに視聴者が戸惑ってしまうこともある。何事もやりすぎるのは良くないですね。

 ただ、少なくとも基本的な絵作りの仕方として、登壇者の顔が1人だけ暗い、ということはないようにしたいところです。登壇者本人が所有しているカメラの画質があまりに低いとか、照明が弱いとか、そういう場合は僕から機材をお送りして使ってもらうこともあります。また、最近は仮想カメラツールなどで、自分の映像を加工できるソフトも増えてきました。OBSなどもYouTuberなど個人の配信者のニーズから広まりましたが、今後はビジネス用の「映像加工ツール」も充実してくると見込まれます。

——オンラインセミナーの本番についてもお伺いしたいのですが、スムーズに進行させるために必要なこと、意識していることはありますか。

 まず、いわゆる「カンペ」をどうするかですね。当日は関係者間のやり取りが煩雑になるので、あらかじめチャットで“楽屋”を作っておくことが大事です。SlackでもFacebookメッセンジャーでもいいですし、普段よく使っているチャットツールでいいと思います。チャンネルやグループを作って、誰が何を担当しているのかをはっきりさせておき、そこで台本や資料をやり取りする。イベント最中の「音が出ていない」「顔が見切れている」などの連絡もできるようにしておくといいですよね。

 登壇者によっては直接連絡を取ることが難しく、秘書や広報の人が間に入ったりすることもあるかと思います。もちろん秘書、広報の方と常に連絡を取れるようにしておくことは必須ですが、最近は完全オンラインでなくてもいい場合もありますので、スタジオにその登壇者だけ呼んで直接コミュニケーションできるようにする方法もありますね。

——スライドの操作についてはどうですか。たとえば、事前に登壇者からファイルを送ってもらい、モデレーターが一括してページめくりをするといった方法などもありますが。

 スライドのページめくりはなるべく登壇者本人にやってもらっていますね。もちろん、トラブルがあって表示できなくなるのが怖いからバックアップとして自分の手元にも用意しておきますが、やはり登壇者本人のペースでしゃべりつつ、その人が思うタイミングでめくったほうがスムーズにいきますから。

——なるほど。このほか、オンラインセミナーならではの登壇者が注意すべきポイントはありますか。

 僕がよく言っているのは、オンラインの方が「視聴者に解像度高く見られている」ということ。画面解像度の話ではなく、登壇者1人1人の所作が細かく見られているという意味です。リアルイベントだとステージと観客席の間に距離があったり、参加者が全体を俯瞰で見ていたりして、登壇者それぞれの顔や動きに注目することは実はあまりなかったと思うんです。

 でも、オンラインだと顔が映った状態がずっと続くし、場合によっては録画されていたりもするので、登壇者はずっと見られているという意識をもって集中している必要がある。だから、他の人が話している時の表情やうなずき方にも注意しなければいけません。リアルイベントに登壇する時は洋服のコーディネートを考えたり、猫背にならないように気を付けたり、散髪してきたり、と気を使う方もいらっしゃいますが、オンラインでも同じように、背景を含めて見えるところについてはイメージを悪くしないように気を付けています。

——たしかに画質はそれほど良くなくても、常に登壇者の顔は見えているので、動きは気になってしまいますね。

 話し方についても、リアルに比べて癖が目立ちやすくなることに注意したいですね。人によってはイヤホンで聞いているので、より声に集中しやすい。よくある「えーと」のような前置きが多いとか、早口でしゃべるとか、語尾がわかりにくかったりとか、そういうことが頻発すると視聴者はイライラしてしまいます。受信環境が良くなくて聞き取りにくいことも重なると、視聴者は一気に離れてしまいます。

 ただ、話が得意な人にも注意が必要です。そういう人はしゃべりすぎる傾向にあって、登壇者が複数人いても会話のキャッチボールができず、1人でしゃべり続けてディスカッションにならなかったりします。そこでいかにキャッチボールできるようにするか。オンラインの場合は会話のリズムを掴みにくい傾向もありますから、他の人が途中から入ってこられる、入っていけるようにすることが大事で、最初にキャッチボールしやすいアイスブレイクを設けるなどの配慮も必要ですね。

 オンラインのカンファレンスやセミナーだと、今までのリアルイベントでは登壇していなかった人が登壇する機会もありますし、そういう人にこそスポットが当たりやすくなっている状況でもあります。オンライン化で時間や場所の制約がなくなり、登壇しやすくなったのが理由だと思いますが、そうするとしゃべり慣れているスポークスパーソンばかりではなくなってくる。掛け合いがうまくいかなかったり、しゃべりすぎたりするのを見かけることが多くなっているので注意したいですね。

※この記事はCNET Japanから配信されています。

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