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新規事業に不可欠なリクルート流「3つの視点」–それを加速させる“第4の視点”とは
2020.04.02

IT&ビジネス最新ニュース第2回

新規事業に不可欠なリクルート流「3つの視点」–それを加速させる“第4の視点”とは

第4の視点「AIの目」が膨大な情報から読み解く

 これまでの時代、事実はわかりやすかった。しかし、VUCAの時代だと、誰が何を提供しているのか、それが正しいのか、何が強みなのか、弱みなのか合致しなくなってきている。個別化された情報がたくさんある世界で、自分一人で情報をためておく意味はない。こういう時代だからこそ、個人知識を集合知に変えていく必要があるのだ。

 ストックマークが取り組んでいるのは、第4の視点として「AIの目」を取り入れるということ。これにより鳥の目は、業界や業種、規模の大小を超えて、未知なる動きすらもAIが検知し捕捉してくる。魚の目は、さまざまな文脈やバラバラにおかれていた点の情報といったものを、意味で構造化し見えないトレンドを捉える。

 虫の目は、個人の嗜好データも含めて分析していく。隠れたパターンを見つけることが新たな虫の目となる。そしてAIの目とは全体を包含し、今まで見えてこなかったものまで見つけ出し、隠れたパターンや洞察を導くものである。

 世の中のデータには2種類のタイプがある。構造化されたものとそうでないものだ。数字や売上、会計、受発注などといった構造化されたデータは、全データの10%程度と言われている。企画書や議事録、メール、商談メモといったものは、すべて非構造化データであり、それらが大半を占めることになる。

 こうした非構造化データをオリジナルの自然言語処理技術(言葉のAI)を活用し、トピックスの抽出や要約、整理、意味の分解など分析・解析することで、ビジネスの意思決定をサポートするのがストックマークの役目である。

 ここでストックマークが提供する3つのAI SaaSプロダクトを簡単に紹介しよう。

 

■Astrategy−事業を「見立てる」のに役立つ

 たくさんあるニュースの中から、数字さえ見ればどの程度のボリュームで、企業ごと、カテゴリーごとでどの程度盛り上がっているのかがわかる。また、ニュースを意味ごとに分類して整理することで、企業や事業環境に合わせた分析が可能となる。

 「たくさんの膨大な情報から未知なる競合や国内外の成功事例、外部反響の変化を捉え、スジの良い仮説を導いて、俊敏な事業開発ができる。そういう状態を整えることで、世の中の負が見つかります。負は身近に見つかることもあれば、想像していないところで起こることもあるでしょう。世の中で起こっている状況から、自分たちの競合環境を考えたときに、負になっていると思うことがあります。このような変化を的確に捉えて、事業化していくことが私たちの提案です」(岩本氏)。

 

■Anews−事業を「仕立てる」のに役立つ

 ニュースを起点にしてインサイトを共有し、チームが動き出すきっけかになるプロダクト。世の中にあまたある記事をクローリングし、組織と個人に最適化した形で、1日に100件レコメンドする。会社の嗜好だけでなく、個人の嗜好を把握し、習性を学習して新たな発見を提示。集合知を形成するために、情報収集だけでなくナレッジの共有をサポートする。

 「情報収集はひとりで行っていると必ず偏りが生まれます。人間の習性です。可能な限り広く集合知にしていくためにも、自分と離れた人、違う考えの人の情報を収集していくことが私たちの文化づくりです。気づかなかったものを気づかせて、組織知を活性化させることが、最も重要な文化情勢だと思います」(岩本氏)。

 

■Asales−ビジネスを「動かす」に役立つ

 営業組織における勝ち筋の強化と顧客に望まれる企画書を効果的に作成していくためのもの。たとえば「Slide Finder」によるスライドを見つける機能。これまで個々に作られたスライドは個々で管理することが多かったが、それを共有して中身を分析し、必要な情報を引き出せるようにする。重要な情報へ瞬時にアクセスできることで、組織の知見が高まり、ほかの人が自分のスライドを参考にできる。営業や日報、セールス、社内資料なども取り込めば、自律学習することで、さらに価値を高めていく。

 最後に岩本氏は「それぞれのプロダクトを活用することで、事業開発の進め方である、見立てる、仕立てる、動かす、すべての側面からサポートできます。見えなくなってきた情報を見える化し、動かせるようにすること。そして情報を共有し集合知とすることで、新たな価値が生まれます。初期段階の仮説検証や、見立てる・仕立てるのサイクルをまわすために必要なのが集合知です」とし、「その集合知をより良いものにするために、私たちは第4の目を提供します。進化する人たちのそばに立ち、役立つ企業になりたいと思っています」と述べ、セッションを締めた。

※この記事はCNET Japanから配信されています。

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