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DXの潮流、CDOの挑戦
2021.07.06

オリックス生命保険

「想いを、心に響くカタチに」する、お客さま本位のDXとは

オリックス生命保険株式会社 執行役員 IT本部管掌 児玉 英一郎 氏

技術的負債化の解消と、クラウドシフトのパラドックス

 オリックス生命保険は、ハイパーコンバージドインフラストラクチャによる基幹システム構築などテクノロジー面で業界に先駆ける存在として認知されているが、児玉氏は“技術的負債化”が始まっていると課題を口にする。

 「タイムマシンがあれば30年前に戻ってシステムをつくり直したいくらいです。当時は470万を超える保有契約件数になるとは想定できずに設計してしまったため、業容の拡大に対応できずシステム面にさまざまな歪みが生じています。これまでもシステム構造改革など、手は打って来ましたが、常にシステムの“技術的負債化”は進行します。技術的負債を最小限に抑える方法は、学習コストを払って新しいテクノロジーをキャッチアップし、それを乗りこなす覚悟を持つことです」

 技術的負債を解消する方法のひとつはクラウドシフトだが、金融業界には多くの障壁が立ちはだかる。

 「いわゆるFinTechで特に重視すべき主要テクノロジーである、AI、ビックデータ、生体認証などはいずれもクラウドの利活用を前提に開発されていますから、最新テクノロジーを乗りこなすためにもクラウドシフトは不可欠です。しかし、機微情報をお預かりする生命保険会社として、セキュリティ対策を劣後させる事はできません。いかに強固なセキュリティを担保しつつ、スピーディーで柔軟なサービス提供を両立するか、それが最大のチャレンジです」

今、デジタル化・自動化を推進しなければ、次なる需要を取り込むことができない

 世界一高齢化が進み、労働生産人口が減少し続けている国内経済において、一人ひとりの労働生産性の向上は日本の企業にとって急務である。保険会社においては、これからも増加する問い合わせや受付などに、いかに顧客本位で応えるかが大きな課題となっている。

 「次なる10年間、弊社が成長を続けるには、労働力不足の中でいかに業務を省力化・自動化していくか、また、増え続ける技術的負債をいかにして削減していくか、その両面の課題解決が不可欠です。日々のニーズに応えて新しい仕組みを追加しながら、技術的負債を片付けていくことは、IT本部にとって最大のチャレンジになると考えています。これからも、IT部門としての高度な専門性を発揮しながら、お客さまにとって最良の状態を実現するべく、“お客さま本位”の改革に取り組んでいきます」と、児玉氏はIT本部のミッションを話してくれた。

※本記事は2021年4月時点の情報に基づき作成されています。

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