DXの潮流、CDOの挑戦
2020.03.25
パーソルホールディングス株式会社
人材業界のディスラプトをリードするパーソルのDX戦略
パーソルホールディングス株式会社 Chief Digital Officer 兼 グループデジタル変革推進本部 本部長 友澤 大輔 氏
2020年は職務定義元年。“就社”から“就職”への移行が進む
“DX人材”を求める声は日に日に高まっていますが、そもそも“DX人材”とはどういうスキルセットやマインドセットを持つ人材を指しているのか、その定義は曖昧なままです。
「米国の労働省雇用訓練局が1998年に『O*NET』という職業情報の総合サイトを開設しました。そこには約1,000職種について、その職種を知らない人でも仕事の内容を具体的にイメージできる詳しい情報や、その職種の雇用が10年後どれだけ増減するかといった予測情報のデータベースが作成・公開されています。これにより、職務の定義が明確になり、労働市場のミスマッチが激減し、人材の流動化が進みました。
日本の労働市場では、今でも職務経歴書や履歴書をしっかり書けない人がたくさんいますし、採用側もどんな職能が必要か明確になっていないため求人票に業務をうまく落とし込めない、結局、時給でマッチングしているというのが日本の実情です。個人的には、米国より50年遅れていると感じますね」
こうした現状を打開するべく国が動き出しました。2018年2月、厚生労働省と経済産業省が連携し、2020年に『日本版O-NET』の運用を始めると発表し、職務を定義するためのデータベース開発がはじまったのです。
「『日本版O-NET』には期待しています。職務定義が明確になれば、日本も“就社”から“就職”への移行が進むはずです。適材適所の人材配置が進み、副業やパラレルキャリアも増えるのではないでしょうか。職能化とテクノロジーが組み合わされば、人材業界にも大きな変革が起きると思います」