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DXの潮流、CDOの挑戦
2020.01.15

アクサ損害保険

テクノロジー導入とチェンジマネジメントの両輪がDX成功の秘訣

アクサ損害保険株式会社 執行役員CDTO(チーフ・データ&テクノロジー・オフィサー) ニコラ・エブラン 氏

画像や音声などアンストラクチャーデータの活用に期待

 エブラン氏の役職は、CTOとCDOの役割を兼ねるCDTO(チーフ・データ&テクノロジー・オフィサー)です。テクノロジーとデータの両ポジションをひとつに束ねている理由と、CDTOに求められるミッションについて伺いました。

「当社は、常にデータドリブンかつテクノロジードリブンでありたいと考えています。データドリブンとはデータを収集・活用してプロセスを効率化すること、テクノロジードリブンとは常に最新テクノロジーを活用してプロセスを効率化することです。データとテクノロジーは密接に関係しています。ひとつのテクロノジーを導入する場合、そこから得られるデータはどういうもので、それを分析することで何を改善できるのかを考えなければいけません。私に与えられた役割は、この密接な関係にあるデータとテクノロジーの導入をサポートし、利活用を推進することです」

 先進のテクノロジーをウォッチすることが求められるCDTOは、今どのようなテクノロジーに注目しているのでしょうか。

「データの世界には、ストラクチャーデータとアンストラクチャーデータがあり、これから注力したいのはアンストラクチャーデータです。その中でも、私が特に注目しているのは、ボイスと画像です。画像の活用はすでに保険業界で始まっており、軽微な事故の車両画像をAIで認識して保険金を支払うシステムは開発されています。おそらく今後は数千円、数万円レベルの保険金は画像を送るだけで自動的に支払われるようになると思います。

 会話音声をテキスト変換して分析するボイステクストも、今後が期待されているテクノロジーです。このテクノロジーは、電話でお客さまに重要事項説明をする際のエビデンスになりますし、詐欺の発見などにも効果が期待できます。たとえば、事故を報告するとき、どういう言葉を使い、どう声が変化したかをリアルタイムで分析することで、詐欺の兆候を見つけられる可能性があります。開発は始まったばかりですが、さまざまな分野に応用できるので、ボイステクストには高い期待を寄せています」

 最後に、今後のアクサ損害保険におけるデータおよびテクノロジー活用の戦略を伺いました。

「データの分析を活用して保険料の見積もりから、申し込み、支払い、保険金申請などすべてのプロセスをより便利に、早く、簡単にすることを目指しています。ただし、データの活用には責任が求められることも自覚しています。業務に必要ないデータを収集しないのは当然として、情報が漏れないよう堅牢なシステムを構築しながら、お客さまにメリットをもたらせるようデータを活用すること、これが最も大事なことだと考えています」とエブラン氏は、情報管理のポリシーやセキュリティの確保がデータやテクノロジーを活用する際の重要な基盤であることを強調しました。

※掲載されている内容は取材日時点のものです。
※掲載されているサービスの名称、内容及び条件は、改善などのために予告なく変更することがあります。

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