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DXの潮流、CDOの挑戦
2019.12.11

アフラック生命保険

生命保険事業の特性を活かしたDX推進とは

アフラック生命保険株式会社 上席常務執行役員 チーフ・インフォメーション・オフィサー 二見 通 氏

 DXによるディスラプトが進む金融業界で、生命保険はデジタル変革が比較的遅れているといわれています。特にお客様サービスにおいてDXが進まない1つの理由は、銀行や証券会社、損害保険などと比べてお客様との接点が少ないことにあります。生命保険会社のお客様接点は契約時と保険金/給付金請求時、または住所変更などに限られており、得られるお客様接点が少ない、すなわち契約後はお客様単位でのトランザクション量が少ないことが課題です。

 一方、生命保険会社にはお客様の既往歴、診断書情報などの医療に関する貴重なデータが蓄積されているため、これにライフイベントやヘルスケアなどのデータを融合できれば、画期的な商品やサービスが生まれる可能性があります。

 アフラック生命保険は、デジタル社会の到来をビジネスチャンスと捉え、生命保険におけるDXのトップランナーを目指し、さまざまな改革を推進しています。

【アフラック生命保険について】

「がんに苦しむ人々を経済的苦難から救いたい」との想いから、1974年11月に米国生命保険会社の支店として日本初のがん保険とともに創業したアフラック。現在では1,500万人を超えるお客様から2,400万件以上の契約を預かる保険会社に成長し、2018年4月2日には日本法人「アフラック生命保険株式会社」として新たな一歩を踏み出しました。

 創業50周年にあたる2024年に向けて「Aflac VISION2024」を策定したアフラック生命保険は、「生きる」を創るリーディングカンパニーへ飛躍すべく、主力ビジネスのがん保険や医療保険と親和性の高いヘルスケア領域へビジネスフロンティアを広げようとしています。

ユーザーにDXのベネフィットを理解してもらうことがDX推進の大きな課題

 生命保険会社では、お客様の情報が代理店や営業部門、契約保全部門、コンタクトセンターなどに分散していたり、紙書類で処理/管理されていたりすることもあり、統合的なデータ活用ができずプロアクティブな行動を起こせないことが課題となっています。アフラック生命保険は、この課題を解決するためデジタルツールを導入したり、プラットフォームを統合したり、さまざまな改革を進めてきました。しかし、ツールやソリューションを導入しただけでDXが進むわけではありません。

「生命保険ビジネスを支える代理店の方々やご契約をいただいているお客様にはご高齢の方も数多くいるので、そういった方々でも使えるUIかどうかが重要なポイントになります。どんなに素晴らしいツールであっても使っていただけなければお互い効果は得られませんから、IT部門 の社員には保険会社目線ではなく消費者目線でツールを開発するよう求めています。

 もうひとつの課題は、長年染みついた習慣を変える難しさです。以前、RPAを入れるために業務改善を進めようとしたところ、『20年間、このルール、このプロセス、このシステムでやってきて何も問題は起きていない。なぜ変えなければいけないのか』と言われ、それを完全否定はできませんでした。DXの推進は、長年培ってきた習慣を変えることになりますから、そこは超えなければいけない壁といえます」と二見氏は、現場へのDX推進の難しさを話します。

 長年その業務を担当してきたベテラン勢にDX推進の重要性を理解してもらえないこともあります。この課題の解決には、トップダウンで変革を進める方法と、ボトムアップで成功例を積み重ねる方法が代表的ですが、アフラック生命保険ではトップダウンでDXを進めつつ、ボトムアップで社員一人ひとりの意識改革と自主性でDXを浸透させていく方法を選択しました。

 「業務を変えることでその方が得られるベネフィットが何かをしっかり説明して納得を得る。DXの推進にはこれが一番重要です。たとえば、今まではPCにキーボードで打ち込んで作成するのに1時間かかっていた作業が、ボタンを押すだけの20分で終わり、時間に余裕ができるといったメリットを説明します。今日、1人当たりの仕事量は増え続けており、従来のやり方では回らなくなっているので、デジタルツールの利用が仕事の質を高め、残業を減らし、働き方改革につながるといったメリットをきちんと説明します。

 丁寧な説明なしに改革を進めてしまうと『このやり方、このプロセスが会社にとってベストであり、法令を遵守するならば、これらを変えることはリスクが伴う』というような意見が必ず出てきます。それを防ぐには、やはり個別に説明して納得を得るしかありません。個別に説明しても納得が得られないときは、もしかするとシステム自体が役に立たないのかも、と疑ってみることも必要です。本当に役立つシステムならば必ず理路整然とベネフィットを伝えられ、納得してもらえるはずです」

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