2020.08.07
ニューノーマル時代にビジネスはどう変わるのか第6回
ウォルマートに学ぶ、非デジタルネイティブ企業がDXする方法
著者 田中道昭
日本企業はGAFAよりもウォルマートの方が参考になる
こうしたウォルマートのデジタルシフト戦略は、日本の大企業など、非デジタルネイティブ企業がデジタルトランスフォーメーションを実現するために、非常に参考になると思います。
通常、デジタルシフトやデジタルトランスフォーメーションに成功した例としては、アメリカのGAFA(Google・Amazon・Facebook・Apple)、中国のBATH(Baidu・Alibaba・Tencent・Huawei)など、ほとんどがデジタルネイティブな会社が挙げられます。しかし、GAFAやBATHはもともとインターネット、デジタルから生まれた会社なので、そうしたデジタルネイティブな会社がデジタルシフト、DXを実現しているのは当然といえば当然です。
しかしウォルマートは非デジタルネイティブ企業で、売上規模が世界一の小売会社です。そういう企業が、デジタルシフトを成功させているのです。
デジタルシフトやDXの最大のポイントは「トランスフォーメーション(変革)」することです。デジタルトランスフォーメーションは、単にデジタルツールを自社ビジネスに導入すれば終わりではありません。ウォルマートがデジタルシフトに成功した要因は、企業文化の刷新にまで手をつけ、店舗・戦略商品・人材などの「重要な経営要素」をデジタルとリアルの両面でアップデート(進化)させたことにあると最後に指摘しておきたいと思います。
次回は、国内企業のデジタルシフトで興味深い取り組みをしている「ユニクロ」の事例を紹介します。
連載一覧
第16回
働き方に新しい価値を生み出す「デジタルワーカー」とは