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ウォルマートに学ぶ、非デジタルネイティブ企業がDXする方法
2020.08.07

ニューノーマル時代にビジネスはどう変わるのか第6回

ウォルマートに学ぶ、非デジタルネイティブ企業がDXする方法

著者 田中道昭

ウォルマートが、創業者の言葉を大事にする理由とは

 こうした取り組みの結果、ウォルマートではさまざまな成果をあげることに成功しました。

 同社の2020年のアニュアルレポート(年次報告書)には、デジタルシフトによる成果として、「翌日配達への対応において、米国人口の75%をカバー」「ストアピックアップ&デリバリーを6,100以上の店舗で実施」「イン・ホーム・デリバリー (自宅冷蔵庫への食料配達)を米国3都市で始めた」、「EC(Walmart.com )で購入した商品の翌日配達を開始」といったことが挙げられています。

 しかし、同レポートの最初のページには、これらの成果の紹介に先立って、創業者サム・ウォルトンの「OUR PEOPLE MAKE DIFFERENCE」というメッセージが表記されています。

 意訳すると、「人が違いをつくる」という意味になりますが、デジタルに非常に力を入れているウォルマートが、レポートの最初に「人が違いをつくる」という言葉を最初に持ってくるのは象徴的です。このメッセージを優先しているところに、今のウォルマートの価値観が出ています。

 このようなデジタルシフトが行えたのは、CEOのダグ・マクミロン氏の「経歴」や「才能」によるところも大きいといえるでしょう。

 彼は17歳の時に、ウォルマートの物流センターでアルバイトをしており、ビジネススクールに通った後、ウォルマートに入社しました。つまり、ウォルマートを熟知している「生え抜き」の人材が、企業文化の刷新までを視野に入れた同社のDXを牽引しているのです。

 より直接的には、EC事業のCEOに任命されたマーク・ロア氏がデジタルシフトを大きく牽引してきていますが、やはり同氏の才能を上手に活かしているという点においてもダグ・マクミロン氏の優れたリーダーシップは見逃せません。

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